出口 敏彦
新富町役場
生涯学習課 課長
「さまざまなメディアへの露出が若手農家の闘志に火をつけています」
こゆ財団が発足して3年間は、今後の事業展開を模索し、準備を進める“胎動期”という位置付けで考えていました。
ところが、蓋を開けてみると、代表理事である齋藤潤一さんの「失敗してもいいから、とにかくやろう」という教えもあって、ふるさと納税を通して町のPRを行ったり、商品開発をどんどん進めたり、農作物の販路を拡大したりと、フットワークが良すぎるくらい、いろんなことをバンバンやっていて、すばらしいと思っています。
その一方で、スタッフみんなが猪突猛進になってしまうと、いつか脱線しないだろうかという心配もあって、私は「あまり急ぎ過ぎるな」とみんなに言ってるんですけどね(笑)。
こゆ財団の取り組みを通して、若手農家にやる気が生まれ、ふつふつと闘志が湧き始めていることを何より頼もしく思っています。
さまざまなメディアに取り上げられることで、彼らのモチベーションが高まるだけでなく、周りの農家への波及効果も大きい。東京だけでなく海外にも目を向けて、農産物の販路を拡大していこうと動いているこゆ財団は、今の時代に合っているし、若手農家にとって刺激になっているはずです。
今後のこゆ財団に期待することは、やっぱり人づくりですね。
一歩を踏み出す若者が一人でも多く出てくれば、周りも変わってきます。そんな中でも、ただ稼ぐだけでなく、成功したノウハウを町の人たちに伝えたりと、地域に貢献できる人が増えてほしい。どんなときも忘れてはいけないのは、地元愛、これしかありません。
こゆ財団を見ていると、常に地元愛を持って行動していて、「新富町をなんとかしたい」という思いが伝わってくるんです。役場内では、すでにこゆ財団の勢いに感化された職員も出てきています。めざすは、お互いに刺激し合える関係になれること。役場も負けてはいられません。