7品種のプラムでつなぐ旬の味わい。届けたい、“一番美味しい瞬間”【石村果樹園/石村政広さん・れい子さん、米良真由美さん】
新富町で果樹園を営む石村政広さん、れい子さん、娘の米良真由美さん。現在農園では梨やプラム、柿を栽培しています。
ちょうど今、6月上旬から旬を迎えているのがプラム。甘くて果汁たっぷりの果物ですが、雨が降れば実が割れ、高温が続けば品質が落ちるなど、自然の影響を大きく受けるデリケートな作物です。
それでもプラムづくりを続けるのはなぜなのか。その想いを伺いました。
旬をつなぐ7種の品種

石村果樹園では、現在7品種のプラムを栽培しています。
収穫は6月上旬の「ハニーローザ」から始まり、「メスレー」「ハニービート」「サマーエンジェル」「彩の姫」「ソルダム」へと続きます。現在、「深沢」という品種も栽培していますが、出荷できる品質まで育つかを見極めている段階です。
一つの品種の収穫期間はおよそ1週間から10日ほど。短い期間の中で収穫や選果、出荷を行うため、シーズン中は品種を切り替えながら忙しい日々が続きます。かつては20品種ほどを育てていましたが、味や栽培のしやすさ、お客様からの反応を見ながら現在の品種に絞り込みました。
中でも「ハニーローザ」は、濃厚な甘みが特徴で、一度食べると忘れられない味わい。「サマーエンジェル」は200グラムを超える大玉になることもあり、甘みと酸味のバランスが良い品種として親しまれています。
それぞれ異なる魅力を持つプラムを育てながら、石村果樹園では品種ごとの美味しさをお客様へ届けています。
100年続く果樹園で、好奇心から始まったプラム栽培

石村果樹園は、政広さんの父の代から約100年続いています。
その中でプラム栽培を始めたのは約40年前。きっかけは、政広さんが都農町の知人の農園を訪れた際に見たプラムでした。
枝いっぱいに実ったプラムを見て、「これは面白そうだな」と興味を持ったことから栽培をスタート。当時は「メスレー」と「ソルダム」から始まり、その後はさまざまな品種を試験的に導入しながら栽培を続けてきました。
「これは味が良い」「この品種は育てやすい」「こちらはお客様に人気がある」
そんな経験を積み重ねながら、現在の栽培体系が形づくられていったといいます。
また、石村果樹園では、一般的な直立仕立てではなく、梨棚のように枝を水平に広げる独自の方法を採用。作業性に優れているだけでなく、実も大きく育ちやすいことから、長年この方法で栽培を続けています。
それでも、自分たちに合った栽培方法を模索しながらプラムづくりを続けています。
変化する気候に向き合いながら栽培を続ける

プラム栽培で最も気を遣うのは、完熟のタイミングを見極めることです。完熟した実は水分を吸うと割れやすく、小さな傷でも日持ちが大きく変わります。
近年は温暖化の影響も深刻で、気温が高すぎると果実が傷み、これまで栽培していた品種の継続が難しくなることもありました。また、台風による被害も経験し、過去には収穫を目前にしたプラムがお客様へ届けられない悔しさを味わったこともありました。さらに、資材価格の高騰や人手不足など、農園を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。
「昔はなかったことが起きるようになった」
長年果樹栽培に携わってきた政広さんの言葉には、気候変化への実感がにじみます。
そうした環境の変化に対応するため、政広さんは新品種にも目を向けています。果物の世界では毎年のように新品種が誕生し、気になる品種があれば実際に育てながら、新富町の気候や土壌に合うかを確かめてきました。
「カタログには良いことしか書いてないからね」
そう笑う政広さん。実際に育ててみると、新富町の気候に合わない品種も少なくなく、何種類も試した末に栽培をやめたものもあるといいます。味や育てやすさ、お客様の反応を見ながら、本当に納得できる品種だけを残してきました。
一番の美味しい瞬間を届けたい

市場に出回るプラムの多くは、日持ちを考えて少し早めに収穫されます。一方、石村果樹園では直売所での販売も行っており、完熟に近い状態で収穫したプラムをお客様へ届けることができます。
「丸かじりしてほしいんです」
そう話すれい子さん。その言葉には、果汁があふれ、甘みと酸味が口いっぱいに広がる完熟プラムならではの美味しさを、多くの人に味わってほしいと願いが込められています。
果物が好きだからこそ、よりおいしいものを届けたい。その気持ちは、40年前に政広さんがプラム栽培を始めた頃から変わりません。
毎年楽しみに待ってくれるお客様を想いながら丁寧に育て、一番おいしい瞬間を見極めながら収穫。そのようにして今年も旬を迎えた完熟プラムが、石村果樹園から楽しみに待つ人たちのもとへ届けられています。
【販売店舗】※販売時期や収穫状況により、取り扱いが異なる場合があります。

石村果樹園 直売所 ※お盆を過ぎたら水曜定休
〒889-1406
宮崎県児湯郡新富町新田17902-59
こゆ農畜産物直売所ルーピン
〒889-1402
宮崎県児湯郡新富町三納代2032番地2
