地方でも、本気で挑戦できる場所を。SHOJINが新富町で描くエンターテインメント【振付家/SHOJINさん】 - 地域商社こゆ財団|宮崎県新富町

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地方でも、本気で挑戦できる場所を。SHOJINが新富町で描くエンターテインメント【振付家/SHOJINさん】

地方でも、本気で挑戦できる場所を。SHOJINが新富町で描くエンターテインメント【振付家/SHOJINさん】

2026年8月15日・16日、新富町で開催される「SHINTOMI STREET THEATER」。メインプログラムとなるパレードやショーに向けて、7月11日・12日の2日間にわたり参加者を含めたリハーサルが新富町内で行われました。

今回、楽曲制作や振り付け、ショー全体の総合演出を手がけるのは、数多くの舞台やテーマパークショー、大型イベントに携わってきた振付師・演出家のSHOJINさんです。

私・酒井は現在こゆ財団で広報をしていますが、かつてテーマパークダンサーを目指してダンスを習っていた経験もあり、今回のリハーサルに参加しました。

リハーサルで印象に残ったのは、SHOJINさんが参加者に「プロの現場」を体感してもらおうとしていたこと。参加者に合わせて進めながらも、自身のもとで学ぶ生徒たちを前に立たせ、間近でその踊りや現場の空気に触れられる時間をつくっていました。

レベルの高い踊りを目の前にして圧倒される人もいれば、「負けたくない」と食らいつく人も。私自身も5、6年ぶりに本格的に体を動かし、「こんなに動けなくなってるのか……」と思いながらも(笑)、久しぶりに踊る楽しさを味わいました。

そんなリハーサルを一緒に経験したからこそ気になったのが、SHOJINさんが地方でエンターテインメントをつくる理由です。

地方で活動することへの思いや、今回の作品に込めたこと、そして本番の見どころまで、SHOJINさんに聞きました。

プロのエンターテインメントの現場を体感してほしい

Q.宮崎でワークショップを行うのは、久しぶりだったそうですね。参加者の印象はいかがでしたか?

宮崎でのワークショップは、3年ぶりくらいだと思います。新富町で行うのは今回が初めてですけど。

今回の参加者の印象ですか? 正直に言うと、「クソ素人だな」って(笑)。やりにくさはありました。というのも、普段は僕、プロを目指す子や子役、テーマパークダンサーを目指す子たちに教えることが多いんです。そういう子たちは、稽古場に来る時点で「この時間でどれだけ吸収してやろう」という強い気持ちを持ってて。

ただ今回は、町の企画として、経験も参加する目的も異なる人たちが集まっている。それは承知しているんですけど、最初はその熱量や稽古に対する感覚の違いに難しさを感じました。

それって良し悪しではなく、そもそもの目的が違うんですよね。もちろん他の地域でもその差はどうしても出てくる部分ではあるかな。

だからこそ今回は、エンターテインメントの現場が持つスピード感や空気、熱量を実際に体験してもらうことも、一つの意味なのかなと思っています。

Q.リハーサルを通して、参加者の皆さんに変化は感じましたか。

最初は少し離れたところから様子を見ていた人たちも、時間がたつにつれて、「エンターテインメントの現場って、こういう空気なんだ」「みんな、この熱量で取り組んでいるんだ」と感じてくれたんじゃないかなと思います。

僕自身も、途中から完全にスイッチを入れて進めました。

100人を超える人たちを動かすのは、やっぱり簡単ではありません。普段から僕と一緒に活動しているメンバーであれば、僕が何を求めているのか、リハーサル中にどう動けばいいのかを理解しています。

でも今回は、ほとんどの人が僕と初対面でした。その中で一つの作品をつくる難しさはありましたが、普段の生活では味わえない現場の空気を感じてもらえたのではないかと思います。

地方と東京の差を越えて、本気で挑戦できる環境を

Q.地方での活動に力を入れるようになったきっかけを教えてください。

僕が「SHOJIN ENTERTAINMENT LABO」という活動を始めたのが、コロナ禍でした。

地方に住んでいる子たちを置いていかないように、オンラインで情報を発信したり、どこに住んでいてもレッスンを受けられる環境をつくったりしたのが始まりです。

ワークショップを行ったり、地方の遊園地などに「ここで本格的なエンターテインメントショーをつくりませんか」と提案したりしながら、3、4年前に全国47都道府県を回りきりました。

コロナ禍が明けた今も、今回のような地方での活動を続けています。

Q.地方での活動を続けているのは、「地方に住んでいる子たちを置いていかない」という思いがあるからですか?

ん〜、それはもちろんそうなんですけど、エンターテインメントの世界は、どうしても東京集中なんですよ。

地方に行くほど、情報やチャンス、本格的な舞台を見られる機会、教えてくれる先生との出会いに差が生まれます。

地方で高校生まで一生懸命ダンスを続けて、「プロを目指したい」と東京に出てきても、周囲との実力差に初めて気づき、絶望してしまう人たちも見てきました。

今はSNSを通して東京や世界の情報を得られる時代です。だからこそ、地方にいるうちから、プロの現場で求められる基準や、どれだけ努力している人たちがいるのかを、きちんと伝える必要があると思っています。

厳しい現実も含めて、早い段階で知ることができた方が健全だと思うんです。

同時に、地方に住んでいても、本気で頑張れる環境をつくりたい。今の僕は、後輩や若い世代が挑戦できる場所を増やすことに力を注ぎたいと思っています。

まち全体がひとつになる、参加型エンターテインメント。SHINTOMI STREET TEATER

Q.今回、「SHINTOMI STREET THEATER」への参加を決めた理由は何ですか。

自分の活動が地方に向いている今のタイミングで声をかけてもらったことが、大きかったです。

今回のプロジェクトを担当しているMIRISEの遠藤伶さんとは、コロナ禍に制作した早稲田大学のミュージックビデオをきっかけに出会いました。

当時、大学生だった遠藤さんから、4,000字くらいの長いメッセージが届いたんです。「早稲田大学の新しいミュージックビデオをつくりたいので、OBであるSHOJINさんに振り付けをお願いしたい」と。

最初は「何だ、こいつは」と思いました(笑)。でも、母校の企画としておもしろいと思いましたし、コロナ禍で僕にも時間があったので、一緒に制作することになりました。

その後もSNSを通して活動を見ていて、「地方で何かできることがあれば協力するよ」と伝えていました。今回、ちょうどそのタイミングで声をかけてもらったので、ぜひ参加したいと思いました。

Q.今回のパレードに込めた思いや、見どころを教えてください。

歌詞には、宮崎の太陽が街を明るく照らしているイメージと、新富町から始まるエンターテインメントが九州、日本、そして世界へ広がってほしいという思いを込めました。

振り付けはテーマパークのような華やかさを残しつつ、宮崎の太陽をイメージした動きも取り入れています。

パレードのサビは、お客さんと一緒に踊ることを一番に考えてつくりました。ダンサーが目の前を通り過ぎるだけではなく、見ている人たちも自然と手を振ったり、体を動かしたりして、まち全体が同じ振り付けでひとつになったら、すごく良い景色になると思ったんです。

Q.パレード後のさくら南公園で行われるステージショーの見どころも教えてください。

イメージでいうと、新富町のキャラクター「おとみちゃん」が、いわばミッキーマウスのような存在として物語を案内していく、テーマパークショーのような構成にしました。

ただ有名な曲を並べるだけでは、誰にでもできるものになってしまうので、おとみちゃんが観客を物語の中へ誘導しながら、誰もが一度は聞いたことのあるミュージカルやディズニー作品の楽曲をつないでいきます。エンターテインメントに普段あまり触れていない方にとって、知らない曲をショーの間聴き続けるのは、どんなに良い作品でも大変だと思うんです。

だから今回は、あえて分かりやすく、親しみやすい曲を選びました。歌と踊り、出演者たちのエネルギーを、気軽に楽しんでもらえるショーにしたいと思っています。

Q.地元の参加者と、普段からプロの現場を目指して練習しているメンバーが一緒に出演します。そこにはどのような意味がありますか。

参加する子たちにとって、良い刺激になると思います。

地元のダンススクールで上手だと思われていた子が、福岡や東京から来た同世代の子と一緒に踊った瞬間、それまでとは違う基準を知ることがあります。

「同じ年齢で、こんなに踊れる子がいるんだ」「こんなに振り覚えが速いんだ」と実感することは、大きな経験になります。

そこで、「もっと頑張りたい」と思う子が一人でも出てきたら、この企画を行う意味があると思っています。

また、地元の先生たちにも振り付けに参加してもらっています。

東京から来たプロがすべてをつくり、完成したものを見せるだけではなく、地域の先生や参加者、地方で活動するメンバーが一緒につくる。そこで初めて、本当の交流になると思うんです。

* * *

リハーサルに参加し、SHOJINさんのお話を伺う中で、私が一番心に残ったのは「地方にも本気で挑戦できる環境をつくりたい」という思いでした。

その思いは、リハーサルの現場でも強く感じました。SHOJINさんが求めるスピードや熱量に、最初は子どもたちも少し圧倒されている様子。それでも、一生懸命食らいつこうとする姿を見ていると、自然と「頑張れ!」と応援したくなりました。

私自身も、学生時代にテーマパークエンターテインメントを学び、一度外の世界を見て地元へ戻ってきた経験があります。だからこそ、地方にも本物のエンターテインメントを届けたい、情報や挑戦の格差をなくしたいと話すSHOJINさんの言葉は、とても心に響きました。

今回の「SHINTOMI STREET THEATER」は、出演者だけがつくるイベントではありません。観客の皆さんも一緒に手を振ったり、体を動かしたりしながら楽しめる、参加型のエンターテインメント。

100人を超える出演者が、本番に向けて一生懸命練習を重ねています。

8月16日は、ぜひ新富町へお越しください!出演者も観客もみんなで、一緒に最高のエンターテインメントをつくりましょう!

【SHINTOMI STREET THEATER 開催概要】

日時:2026年8月15日(土)13:00~

        16日(日)17:30~

会場:15日(土)ルピナスみらい劇場

   16日(日)新富町平田地区商店街(三納代八幡神社〜るぴーモール虹ヶ丘商店街、さくら南公園)

観覧:無料

内容:SHINING DREAM PARADE、SHINTOMI STREET SHOW ほか

詳細はこちらから▶︎SHINTOMI STREET THEATER