財団のプロジェクトを統括する執行理事の高橋さんにチャレンジについての考え、地域おこし協力隊に期待したいことなどをお聞きしました。
チャレンジを加速されるために意識していることはありますか?
普段から意識していることとしては、ノーとは言わないこと。僕たちは「世界一チャレンジしやすい町」というのをビジョンに掲げているので、チャレンジしやすいということを考えれば、そこにノーという選択肢があってはチャレンジはしにくくなってしまうと思うんですよね。
そこは意識的に「ノーと言わない」、「どうやったらできるかをまず考える」、「まずやってみよう」というところからがスタートになるということは、カルチャーとしても作ってきたという自負はあります。
一番大事にしたいのは僕らのミッションでもあるんですけど、“強い地域経済”を作るということなんです。経済を作るということを言っていますので、どうやったらしっかり稼げるか、稼いだときにそれが持続可能かどうかというのも初めて測ったりはできると思うんですけど、そこが一番大事だと思っているので。
どこにその可能性があるかっていうのは試してみないとわからないところがありますし、今うちのメンバーとして参画してくれている一人一人というのはそういう意味ではまだこれからその可能性も広げていけるような人材ばかりだと思っているんですよ。良い意味で可能性をできるだけ広く構えられるというか。そういう考え方のもとで包容力といいますか、そういうのがあるとすごく理想的かなと思います。
地域おこし協力隊の方に意識してほしいことはなんですか?
「理屈よりはまずは行動」ということが協力隊としては理想的なのかなということは思います。協力隊のいいところって、制度の枠内でチャレンジができる舞台が整えられているところだと思うんですよ。多少の失敗はもちろんありながら、とにかくやってみようということで、行動ありきで活動ができるということが何よりのメリットかなと思っています。
実際今、新富町で活動しているメンバーの中にも活動を始める前と始めた後でやりたいことを若干アレンジしていった人間というのは結構多いんですよね。
それもやっぱり、最初はこうだと思って始めたことがうまくいかなかったり、もっとこうじゃないかという試行錯誤が生まれたりという結果、それにたどり着いたっていうところなんですけど。
元を正すと最初の一歩がなければ、結果そういうところにもたどり着けないということを考えれば、その最初のチャレンジというのはすごく大事なことだと思っていて。協力隊についてはそれが制度として認められているという非常に心強いと思います。身分で言うと公務員ですので、そんな状態でチャレンジができるというのは理想的だとは思うんですよ。これだけその先が見えないという風に世の中言われている中で、ある程度安心できる、チャレンジがしやすい状況があるというのはすごくいいんじゃないかなと思います。
こゆ財団と一緒にチャレンジすることのおもしろさは何ですか?
新富町って人口が今16,500人ぐらいの小さい町だと思うんですよ。例えば都市部で色んなビジネスを手がけてこられた方々からすると、動かす金額とか事業の規模感みたいなものって、もしかしたらスケールもまだまだ小さいものばかりという可能性はあるかなと思うんですね。
ただ宮崎県はだいたい今、県内に100万人少々の人口がいるんですが、でも100万人少々ってその都市だけで平気で100万人ぐらいいる町っていっぱいあるじゃないですか。
そういう町とかで行われる一つ一つの事業のインパクトと比べると、この小さい町、小さい県で、それが一つ生まれることのインパクトというのはとても大きいと思うんですよね。
例えば、今お話ししているこのカフェも小さな商店街に小さなお店としてデビューして今に至るんですけど、ここにお店ができたことによって、町の人の流れとか意識とか多少なりとも変わったんじゃないかなと思います。
メディアの方々の注目の仕方とか県内全域に話が広がっていくスピード感とかも、おそらく都市部ではなかなか得難いようなダイナミックな感じはあると思っています。
「こんな小さい町でこんなことができるんだ!」ということが、逆にインパクトとなって他の町にも届いていくように今までやってきたこともあったので。僕らはソーシャルインパクトということを言っているんですけれど、そこを醍醐味として、自分が一つ何か手掛けたことがこんなにも町の人に響くのかとか、こんなにも県全体に影響が及んでいくのかということを、手触りとして受け取ってもらえるとこの仕事って本当に面白いんじゃないかなって思います。