2020年10月24日(土)は、宮崎県新富町にある小中一貫校『田園の里 新田(にゅうた)学園』の文化祭が開催されました。新型コロナ感染予防対策に加えて、今年度は初めてオンラインによるライブ配信も行うため、こゆ財団の教育イノベーション推進専門官・中山 隆が現地にてサポート。コロナ禍の新しい取り組みから、様々な変化や気づき、新たなチャレンジの種も芽生えているようです。
子どもの発表をゆったりスペースで観賞
朝8時30分。小学部講堂を会場に新田学園文化祭が始まりました。
新型コロナ感染予防の観点から、今年は観覧者は1家庭につき2名まで。2学年ごとに観客を入れ替えるなど対策が講じられていました。
窓を開放ししっかりと換気をした講堂内は、まだ寒さも感じない心地よさ。はじめに5・6年生、次に3・4年生、最後に1・2年生が学年ごとにステージ発表をしました。
歌、合奏など、どの発表も練習のがんばりが垣間見えるような素晴らしい内容。子どもたちのキラキラした表情や声は、観客に感動と幸せを与えてくれます。
保護者たちもゆとりある空間で子どもの写真を撮ったり動画に収めたり、ゆったりと楽しめている様子でした。
上級生たちの発表を下級生たちは各教室で楽しめる
9時50分からは、中学部講堂へ。小学部5年生以上の合唱コンクールと、中学部3年生による演劇発表が行われました。
小学部講堂での元気でかわいらしい発表とは違った、頼もしさを感じるステージ。比較的少人数の学年が多くクラス替えもないせいか、学年が上がるごとに息の合った完成度の高いパフォーマンスを披露する生徒たちに、ただただ感心するばかりです。
その間、下級生たちはというと…中学部講堂での発表の様子を、小学部の各教室からライブ配信を視聴。上級生の勇姿を、下級生たちはそれぞれの教室でじっくりと見ることができていました。自分たちもきっとあんな風に…と、尊敬と憧れを感じていたのではないでしょうか。
近くの保護者も遠くの祖父母も
リアルタイムで共有できる
オンライン配信のため、各講堂の中央後方で仮設の配信ブースにいたこゆ財団・中山。動画の配信具合や音声をチェックしながら気づいたことは…
●オンラインによるライブ配信は小学部の時が多く40名ほど入っていた
●ステージ前のマイク・スピーカー設置が功を奏して音がクリアに配信できた
●生徒後方からのiphone撮影ではステージがちょっと遠かった
●飲食店を経営する保護者も入っていた=オンライン配信がなければこの時間を共有できなかったはず
●しんとみ発見学びフロンティア塾の受講生(高齢者)が自分でログインし視聴していた
今年は3密を避けるため入場制限をしましたが、コロナ禍でなくても仕事の都合でリアルタイムでは見れない保護者もきっと少なくないはず。オンラインを活用したライブ配信は、そんな保護者をはじめ遠くに住む祖父母たちにも、子どもたちの輝きをリアルタイムで届けることができます。
さらに、今年度オンラインで行っている平均年齢74歳の生涯学習講座「しんとみ発見学びフロンティア塾」の受講生も、自身でZOOMをつなぎ視聴している様子。お孫さんのステージ発表を見るために自らICTを活用できているのだと知り、5月から教育におけるICT推進を図ってきたこゆ財団・中山は、配信しながら密かに感動を覚えていたと言います。
そもそもの目的は「職員のスキルアップ」と「家族のオンライン体感」
校長先生に、文化祭のオンライン配信に踏み切った理由を伺いました。
「そもそもの目的は“職員のオンラインスキルアップ”でした。また、生徒の家族の皆さんにもオンラインで学校とつながれることを体感してほしかったのです。
今回は人員配置の関係からこゆ財団の中山さんにサポートを依頼しましたが、これからは早めに準備して職員で取り組み、徐々にスキルアップしていけたらと思っています」
学校行事は授業参観に加えて2月の立志式、その後も卒業・入学式などが控えており、コロナの第3波・第4波にも学校は備えておく必要があります。もちろん、授業においてもこれからは必要とされる場面が増えることは間違いありません。
サポートさせていただいたこゆ財団としても、学びや気づきを得られる良い機会となりました。