東京など都市部在住で地域に興味関心がある人、UIJターンを考えている人、新しい働き方を模索している人を対象とした、起業家精神の醸成を目的とする人材育成プログラム「ローカルシフトアカデミー」が2020年9月から開講し、その第一回目となる講座が9月4日(金)に開催されました。豪華講師陣による全5回講座のほか、宮崎県新富町を訪れてのフィールドワークも行い、最終回ではビジネスプランのプレゼンテーションを実施します。
今回は、新型コロナウイルスの影響によりオンライン開催となりました。講座では対話を活用したインタラクティブな学びを通して、地域・仲間と出逢い、自分のワクワクを見つけます。
第1講座(起業家精神論)
日 時:9月4日(金)19:30~21:30
講 師:齋藤潤一氏(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構代表理事)
初回は、「ビジネスで地域課題を解決する」をミッションに各地で起業家育成、事業立ち上げ等に熱量高く取組んでいるこゆ財団代表の齋藤潤一氏を講師に迎え、受講生たちは起業家精神について学んだ。地域づくりに奔走し続ける齋藤氏のエピソードに対して、参加者たちが熱心に耳を傾けていた。講座の後半では、卒業生の占部さんに最終発表の流れや発表の様子など、最終ゴールに向けての質疑応答を行った。
ワクワクをビジネスにする方法
事前課題で、参加者はTEDxShintomiでの齋藤氏のプレゼンテーションを視聴し、「お金と笑顔のバランスがとれた持続可能なまちづくり」(齋藤潤一氏/TEDxShintomi)それをふまえ
講師である齋藤氏に対して、受講生から「お金を稼ぐためにを何をどう考えたらいい?」という質問があがった。
齋藤氏は、「ものすごくビジネスはシンプル。ビジネスは、欲しい人にあげるだけ。本当にワクワクしている人から買いたいから、ワクワクしているものを売っていくことが大事。そして、本当に欲しい人に届けていく。売る人が熱狂しているというのが重要なポイント。」
お母さんに勧めれるかどうか
受講生から、「特産品のブランディングや商品開発について、大事にしているポイントは何ですか?」と質問があり、齋藤氏は1粒1,000円ライチを例に話をした。
「家族や友達、周りの人に自分が売れないものは、大して売れない。一粒1,000円ライチの最終決定は自分お母さんにあげたいかどうかを基準にしている。毎年買って母親に送ってる。それぐらいの商品があるかどうかは重要。」
計画的に失敗し、続ける
また他の受講生から、「早く失敗するや計画的に失敗するとありますが、齋藤さんは怖くないのですか?」と質問があり、齋藤氏は失敗について語った。
「失敗したら嫌だと思って動かない人が多いが、そこは失敗した方が上手くいくという発想の転換でやる。失敗しないと上手くいかないんだからやってみよう!と計画的に失敗する。事業は続けていれば、ほとんど上手くいく。あとは時代が合うかだけ。ただポイントは、ほとんどの人がそれをやらないこと。」
また、これまで齋藤氏が活動をしていきたNPO法人についても語った。「僕がNPO法人を立ち上げた10年前は、ビジネスで地域づくりやろうっていう人なんてほとんど皆無だった。あれから10年が経ち、時代が合ってきたのでそれが当たり前になってきた。だいたいの事業は9割やればうまくいく。」
後半は、本講座の卒業生占部さんを迎え、占部さんが最終発表した資料を受講生に共有しデジスカッションを行った。その中での苦労や発表して感じたことなど、卒業生として受講生にエールを送り、発表の中では、プロトタイプの実施の際に新富町民からご飯を奢ってもらったエピソードを話した。
発表の中で、行動を起こすことで出逢いや引き寄せがあると力強く話をした。プロトタイプは失敗ばっかりだったが、行動したことで改善点や反省など行動を起こしたからこそ気づきがあったと話した。
第一回目で緊張している受講生も多かったが、時間が経つにつれて少しずつ緊張がほぐれていった。参加者同士のゆるやかなつながりを生んだ初回講座となり、これからローカルシフトアカデミーの3ヶ月間が始まる。