活動レポート

活動レポート

自分の思考や行動の固定観念を外して、新感覚の学びや遊びを大人が本気でやっちゃおう!という『しんとみラーニングフェスティバル2021』。公園全体を学びの研修フィールドと見立てた上で、多様な参加者同士が共創し、生きる力を育むための1dayプログラムです。

朝8時、会場に集まった参加者たちは少しよそよそしい雰囲気。これがイベント終了時には笑顔いっぱいの表情に変わっていました。大人の気持ちを180度変えてしまったのは、ありのままの自分と仲間を「いいね!」と受け入れる、心の持ち様だったのかもしれません。

*本イベントは、会場となっている富田浜公園エリアの利活用を促進するため、国の令和2年度地方創生推進交付金事業 新富町「海の拠点」事業 3カ年計画 第一回目実験フェーズとして企画・開催しました。

冷たい雨…会場を変更して室内開催

芝生の広場や流れるプール、キャンプ場を備えた富田浜公園。ここで開催する予定で前日まで準備していましたが、3月7日(日)のイベント当日はあいにくの雨。公園の入り口手前に立つ『民宿初音』さんの2階大広間をお借りして、室内イベントに切り替えて開催し、のべ40名の方にご参加いただきました。

民宿初音1階で受付をして、2階の会場へ。マスク、検温、消毒など感染症対策はしっかり行いました。

『しんとみラーニングフェスティバル2021』は、今回が初の開催です。ビーチヨガ、インプロ(即興演劇)、クリスタルボウルなど、それぞれ講師を招いて行う8つのプログラムから参加者が選択制で楽しめる形にしました。開放的な公園での開催はかないませんでしたが、『民宿初音』は富田浜海岸や富田浜公園とは目と鼻の先で、大きな窓から海や松林が臨める好立地! 参加者や講師のみなさん、こゆ財団スタッフが気持ちを一つにするのに充分な空間となりました。

プログラム①ヨガ
波の音を聞きながら。自分に感謝し、ありのままを受け入れる
講師:米田 貴子さん
【企画意図】体・心と向き合う

 

本日の一番人気プログラムはヨガ。ビーチから室内への変更にもかかわらず、キャンセルなしの人気ぶりです。
どこからともなく波の音…。スタッフの計らいでかすかな波の音をBGMに流しながら、参加者は海が見える窓に向かって座ります。米田貴子先生のヨガ教室がスタートしました。

「無理をしないやり方で、“そのまま”を感じて。ヨガの前と後で心と体が変化する感覚をぜひ感じてください」。

米田さんは宮崎市内を拠点にヨガ講師をされています。心と体に作用するヨガの魅力にはまり、16年前から始めたそうです。

こまめに水分補給しながら、米田さんのやさしい声に導かれつつゆっくりとヨガの姿勢へ。伸びて気持ちいい部分、ちょっと痛みがある部分、疲れを溜め込んだ自分の体と心の声に耳を澄ませます。普段頑張ってくれている自分に感謝しながら、休めてあげる大切な時間。
「どんな感覚もそのまま、優しく否定せずに受け入れてくださいね」

自然の音や風を感じながらのビーチヨガはもちろん最高に気持ちいいけれど、今回のような室内は環境が一定で「集中しやすい」というメリットもあるのだとか。

約50分のヨガを体験した参加者のお一人は、
「肩まわりがすっきり! とっても良かったです」
と笑顔で話してくれました。

プログラム②チェックイン&アイスブレイク
はじめまして! 少しずつ心を開き「仲間」になる時間
講師:福島 梓さん(新富町地域おこし協力隊)
【企画意図】全てのプログラムのベースとなる安心・安全な場をつくる

さて、ヨガで心と体をほぐした後に改めて全員集合。主催するこゆ財団の福島 梓さんが挨拶をした後、5人ずつのグループに分かれて自己紹介をしあいます。その中で、「自分が呼ばれたいニックネーム」をゲーム形式で覚え合ったり、相手のアイデアに「それいいね! じゃあ、○○だから△△しよう!」と、受け入れつつアイデアで返す『Yes And』※のマインドセットを実施したり。皆さんの顔に、次第に笑顔が増えてきました。

講師はこゆ財団・福島さん。心理的安全性を確保した学びの場づくりの専門家。

「今日はこの後のプログラムで、みんなで協力し合う時間が度々あります。どんなことも否定せず、自分や仲間の気持ちを受け入れてさらにアイデアを広げる『Yes And』のルールで、ぜひ楽しんでください」(福島さん)

この短い時間で、参加者同士の壁はすっかり取り除かれたようです。

※Yes, And (イエス・アンド)はインプロのゴールデンルールとして、また、コミュニケーション手法として知られています。相手のアイデアや意見や感情を一度まるっと受け取り同調し、考えていた自分のアイデアや意見や感情を一度脇に置いておき、相手にインスパイアされたアイデアや意見や感情を付け加えて返すコミュニケーション手法です。
一般社団法人日本即興コメディ協会ホームページより引用)

プログラム③「MUCHA-BURI〜限界に挑戦!〜」
みんなで一から新しいゲームを作ろう!
講師:稲田佑太朗さん
【企画意図】コンフォートゾーンの先に一歩踏み出す

次のプログラムは「MUCHA-BURI〜限界に挑戦!〜」。一般社団法人こゆ地域教育研究所の稲田佑太朗さんが講師を務めます。
一体どんな挑戦だろう?と、スタートまで内容が明かされないプログラムにワクワクしていると、冒頭、「僕の無茶振りに挑戦してください」と稲田さん。

社会人になり、上司からの無茶振りに困った…なんてことはありませんか?
そんな時こそ「よし、チャンスだ!」
仲間と協力し合い、楽しみながら乗り切ってみよう!
…そんなプログラムのようです。

目の前に並べられたアイテムのみを使い、ゼロイチで楽しいゲームを生み出す挑戦。2グループに分かれ、「ボールを使う」「競争できる」という条件つきで制限時間は20分です。

<グループ①の様子>
ゲーム用アイテムから紙とペンを取り、アイデアを思いつくままに書き出すことからスタート。


一人がフラフープを手に取り、形にしはじめます。
粘着テープで格子状に張り、間に紙皿をはめていきます。
ボールを投げて命中すると紙皿が落ちます。

誰もが見慣れたあのゲームが、手作りで見事に再現。
紙皿の裏に点数が書かれ、命中した的の合計点を競います。的の点数が見えないこと、またマイナス点数もあるなど、より面白くする工夫も随所に。

<グループ②の様子>

こちらは「まず、やってみよう」からスタートし、紙皿とボールでバレーボールのようなチーム戦を始めました。

…うーん。はじめはイマイチの様子。
そこで出た課題を解決しながら、グループ内でいろいろなゲームが生まれ始めます。
「それ、いいね!」「じゃあ、こうしたら?」

いろんなアイデアが次々と フラフープを2本の橋にしてボールを転がします

ボールを使った小さなゲームがいくつか生まれ、それを一つずつクリアしてゴールまでのタイムを競うゲームが誕生しました。タイトルは『人生ゲーム』!

それぞれのゲームは相手グループに体験してもらい、感想や提案をフィードバック。さらにブラッシュアップをはかり、どちらも今作ったとは思えない楽しいゲームが完成しました。

油性ペンをボーリングの品に見立てたゲームも 成功すると、拍手と歓声が自然に湧き上がります

「あーだこーだとやっている時間が楽しい」
「つながりを感じられた」
「“Yes,And”のおかげか、どんな意見も受け入れてもらえてうれしかった」
ゲームは与えられて遊ぶもの。一から考えて作るなんて全員が未体験への挑戦です。
このワークによって参加者の距離はさらに縮まり、子どものように楽しむ姿がそこにありました。

「実は今回、初蔵出しのワークでした。私も皆さんの様子から学び、このワークをさらにブラッシュアップさせていきたいです」
と稲田さん。なんと! 講師側も挑戦していたのですね。

プログラム④「Tシャツにお絵かき」
お手本は、キッズ画伯!
講師:山下朋子さん
【企画意図】創造性を信じる


午前中ラストのプログラムは、真っ白なTシャツにお絵かきをする時間。準備された絵具やペンで自由に色をつけます。
担当講師は、子どもの成長における外遊びの重要性を発信する『特定非営利活動法人ヒミツキチ』の山下朋子さん。早々に自己紹介と説明を終え、後はそれぞれの自主性におまかせして「さぁどうぞ〜」。

体を使ってお絵かきする女の子♪ 迷いなく筆を動かし色を重ねる。子どもは遊びの天才!

迷いなく筆を動かし色を重ねる。子どもは遊びの天才!
Tシャツの真っ白なキャンバスは、参加者(大人)の最初の一歩に躊躇させます。一方、大人に連れられ参加している子どもたちは「待ってました!」と言わんばかりに、好きな色を手に取り迷いのない筆さばき! そんな子どもたちに刺激され、大人たちも次第に夢中になり大胆さを増していきます。

その様子に、
「子どもってすごいでしょ。子どもが大人の先生なんですよ」
とつぶやく山下さん。

思いつきのままにデザインする人、見本片手に繊細な図柄を描き込む人…、本当にみなさんの個性を発揮した1枚が完成しました! どれも素敵です!!


午前のプログラムはここまで。おまちかねの昼食&休憩タイムは、民宿初音の1階にある『カフェレストランHatsune』へ。たっぷり食べて、午後に備えてくださいね♪

 

 

 

*午後の様子はコチラから