一緒にワクワクを考える! 「お客様」から「当事者」へと意識が変わる、地元中学生の3時間の職場見学。
「私たちの仕事の魅力は、町も、人も、関係者全員のワクワクを作ることです」
そう語るのは、こゆ財団の新しい部署「地域資源セクション」のリーダーを務める岡田。財団設立当時から働く岡田の思いを、地域の中学生に体感してもらう機会がありました。
2025年9月12日、宮崎県新富町にある富田中学校の3年生3名職場見学に来てくれました。

担当したのは、今年度からスタートした新しい部署「地域資源セクション」リーダーの岡田。
少し緊張した面持ちの3人の前に、取り出したのはひとつのサイコロ。
「サイコロの出た目で、自己紹介のテーマを決めよう!」
ワクワクする時間の始まりです。
自分の好きなものなどを紹介しながら、だんだんとみんなの緊張も和らいできました。
『こゆ財団』について知ろう!
まずは、こゆ財団の取り組みについて知ってもらうことに。
グラフや話を通じて、こゆ財団の様々な取り組みや事例を紹介します。
「新富町の“ふるさと納税”で、一番人気は何でしょうか?」
問いを投げかけてみると、一生懸命考える子ども達。
「宮崎牛?」「ライチ?」
聞いたことはあっても、考えたこともない“ふるさと納税”の質問に、不安げに答えます。
「正解はね…うなぎ!」
「え~!」と驚いた子ども達。
知名度や、町内での生産量、他の町の比較など、その理由まで伝えると、納得したように頷いていました。生まれ育った町を違う角度から見ることで、町の新しい一面に気づけたようです。

『こゆ朝市の、ウラガワを知ろう!』
新富町で、毎月第3日曜日に開催されているイベント『こゆ朝市』。
子ども達も参加したことがあるようで、
「こゆ朝市、知ってます!」「行ったことあります!」
と嬉しい反応を見せてくれました。
実は、今日の職場見学のメインは、この「こゆ朝市」がテーマ。
作り手の思いを知り、関係者を知り、ウラガワを見てもらいます。
担当者の岡田は、ワークをいくつか準備しました。
ワーク①「イベントのチラシをじっくり見てみよう!」
ここが、みんなが「お客様」から「当事者」へ視点が切り替わるための、最初のステップです。
いつもは、お客さんとして参加する側の『こゆ朝市』を、担当者目線で見る時間です。
チラシを観察し、企画の担当者やデザイナーがこだわっていると思うポイントを書き出します。意見をみんなで出し合って、共有していきます。
実際に制作に関わっているスタッフからも話を聞き、PRやイベント全体のこだわりについて考えることができました。

ワーク②「イベントの宣伝をしてみよう!」
続いては、チラシを持って、イベントの会場となる商店街へ。「当事者」として町と関わる体験です。
普段はスタッフが行う、商店街のお店にチラシの掲示をお願いする作業を、子ども達に体験してもらいます。
おそるおそるお店に入り、お願いしてみると…
「いいよ!貼っとくね!」
「頑張ってね!」

たくさんの温かい言葉をもらいながらお店を1件1件回り、協力しながら配布することができました。
3人は登下校で毎日通る商店街ですが、初めて入るお店もあり、新たな出会いになったようです。
ワーク③「想像してみよう!」
オフィスに戻り、最後にもう一度考える時間。
「こゆ朝市には、どんな人が関わっているだろう?」
これまでは、自分がお客さんとして参加していた『こゆ朝市』に、どんな人たちが関わっているか、ワーク①②を通して少しだけ垣間見た”関係者の多さ”を、さらに広げて想像します。
再び書き出していく作業でしたが、子ども達は悩みながらも臆することなく書き出し、出た案で、司会の岡田さんを驚かせていました。
今日の学び、質問タイム
最後に質疑応答タイム。
事前に考えてきてくれた質問や、職場見学中の疑問も踏まえて、様々なことを聞いてくれました。
「イベントをするときに大変なのは?」
「どうして町の特産品にライチを選んだのですか?」
「宿のコンセプトに、なぜお茶を選んだのですか?」
岡田も驚く質問の数々に、「その質問いいね〜!」「初めて聞かれた!」と喜びながら子ども達の質問に答えていました。

体験を終えて。
3時間弱ではありましたが、短い時間でも子ども達は一生懸命に学び、考えてくれました。
富田中学校は、こゆ財団のオフィスの裏側にあります。大変近いところにあるのですが、日々の挨拶以外で、じっくり話す機会はなかなかありません。
子ども達に自分たちの思いや活動内容を知ってもらう、とても良い機会をいただきました。
こゆ財団では、町外はもちろん、町内でも新富町をさらに知ってもらう取り組みをこれからも行っていきます。
最後に、今回担当をしてくれた岡田さんに聞きました
ーー今回は「こゆ朝市のウラガワ」がテーマでしたら、岡田さんの今日のウラガワの思いは?
最初に、学校の先生からこのお話をいただいたときに、単なる職場見学ではなく、ワクワクしてもらえることをしたいと思いました。
私にとって、こゆ財団の仕事の魅力は「町も、人も、関係者全員のワクワクを最大化するビジネスモデル」であることです。
この魅力を伝えながら、中学生がワクワクしてくれそうな内容を考えた結果、みんなにとって身近な「こゆ朝市」と「商店街」をテーマに選びました。たった3時間ではありましたが、参加してくれた3人が、作り手の想いを理解して行動し、地域社会から温かい承認を得る、小さな成功体験を積んでもらえたかなと思います。
ーー子ども達のリアクションはどうでしたか?
「町づくりとは何か?」とか「関係人口とは?」など、難しい話にならないように、ワクワクしてもらえるように、注意しながらスライドやワークを準備したのですが、とても良い反応をしてくれて、ひと安心でした。
彼らがこれから社会人になっていくときに、「そういえば楽しそうに仕事している人がいたな」と、こゆ財団の存在を思い出してもらえたら嬉しいです。



