コラム

コラム

※こゆ財団のオフィス・チャレンジフィールドにて開催していた勉強会の様子

地方創生の知恵袋3つのポイント

志ある小さな芽を育てる

事業シナジーでつなげる

イノベーションを加速する

志を持った人たちが集まり、さらに事業シナジーがある人と繋がることによって、地域を持続可能にする新たなビジネスが創造されます。これは一つのこゆ財団モデルと言えるでしょう。

志ある小さな芽を育てる

2019年、こゆ財団が取り組んだことはスマート農業の推進です。農業が基幹産業の宮崎県新富町では、若い農家さんたちが自主的に勉強会をしていました。10人ほどのメンバーが夜な夜な集まり、スマートフォンでデータを見ながら分析をして、どうすればさらに農業で稼ぐことができるかを本気で話し合っているのです。そこでこゆ財団は、彼らと高等専門学校、農業ベンチャーを連携した「儲かる農業勉強会」を設立しました。

▲スマート農業サミット(2019年11月)

事業シナジーでつなげる

そこに注目したベンチャー企業やスタートアップが、次々と新富町に本社を移転したり、農家との連携事業を進めたりしはじめました。こゆ財団は農家と企業をつなぐ中間支援団体として動いたところ、全国農業新聞にて、知を結集し町の活性化を図っていると記事掲載されました。

農家と企業は大きく性質が異なります。かたや自然を相手に、かたや資本主義の中で生きていく相反する存在。事業シナジーを予測しながらコーディネートするのは容易ではありませんが、この高度な取り組みこそ今の地方創生に求められていることでしょう。


▲新富町のスマート農業ベンチャー「AGRIST株式会社」による自動収穫ロボ開発

イノベーションを加速する

「儲かる農業研究会」とスタートアップ企業の増加のおかげで、商店街の貸しオフィスはどんどん埋まり、「新富アグリバレー」という農業のコワーキングスペースも設立しました。その設立イベントに150名近い方々が集まり、全国で初のスマート農業を推進する「スマート農業推進協会」も発足。現在6社が特別法人として加盟し、新富町で新規事業をつくる取り組みを行っています。

企業と農家を繋げることによって、大きなイノベーションが発生したのです。始まりは1つの小さな勉強会です。その勉強会が少しずつ実を結び、大きな形となりました。

重要なのは、コーディネートの力。例えば専属のコーディネーターを2人雇ったとしても、それに見合うリターンは十分あるということを我々は証明できたと思います。

*産業を超えて混ざり合い、つながりを生むことで新たなイノベーションが起きる。そのきっかけを作ったのは、新富町の若い農家さんたちの「本気」だったのですね。