お知らせ

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今回で第5回を迎える「しんとみ発見 学びフロンティア塾」が、2020年11月6日(金)に新富町総合交流センターきらりにて開催されました。3密を避け、少人数ずつ受講場所を分けた形で各自タブレット端末に向かう受講生たちは平均年齢74歳。第2〜4回は外に飛び出しての配信でしたが、久しぶりに第1回の会場へ舞いもどりました。スタッフ全員が同じ会場にそろい整った環境での開催は、ほっとする安心感! ICTサポート・進行役のこゆ財団中山をはじめ、回を重ねるごとに対応に慣れたスタッフの皆さんたちも、ゆとりをもってサポートしている様子がうかがえました。

学習指導要領の改訂で何が変わる?

第5回は新富町教育対策監である中倉信博さんを講師に迎え、教育の取り組みや課題についてお話しいただきました。

学校教育では、10年に1回『学習指導要領』が改訂されますが、ちょうど今年2020年度は小学校が、来年度は中学校が改訂されます。
今回の改訂でポイントとなる1つは、思考力・判断力・表現力等の育成のバランスが求められていること。知識の理解の質を高め、主体的・対話的で深い学びの実現が必要とされています。

知識を詰め込んでテストで点数が取れればよかったこれまでとは違い、
「何ができるようになるか、そのために何を、どう学ばせるか」
という方向性に、これからは向かっていくのです。


▲ZOOMを使ったオンライン講座登壇中の新富町教育対策監・中倉信博さん。きらり内ランチルームから配信

全国学力調査を受講生が模擬体験!

小学6年生と中学3年生で毎年行われる全国学力調査。宮崎県は平成27年度に30〜40位まで落ち込み、その際新富町は、県のおよそ真ん中あたりの学力だったとか。
新富町では施策を練り、県教育委員会と連携して4つのチェックポイントを掲げて授業改善に臨んでいます。

中でも、重要視しているのが「読解力の育成」。
読解力が必要なのは国語だけでなく、数学的思考力や科学的思考力においても求められます。

さてここで、全国学力調査で実際に出題された問題に受講者がチャレンジ。あらかじめ配布されていた問題を開いて、小学6年生の問題を模擬体験しました。あれ、意外にペンが進みません…。

「『読む』土台がないと解けない問題ばかり。○×で終わらない、読み解いて考える問題になっていることがわかりますね」
と中倉さん。

「速く、正確に読む」読解力の育成や教師の授業力アップに向けて、『しんとみ学力・授業力向上推進リーダー研究会』において、公開授業や研究会を定期開催しているそうです。

来年度より新富町内では
小中学校で1人1台タブレット

Society5.0いわゆる超スマート社会が到来します。学校では1人1台の学習用端末と高速ネットワーク環境を整備するGIGAスクール構想がスタートしましたが、宮崎県のICT活用指導力状況は全国最下位レベルとまだまだスタート段階。コロナ禍も学びを止めないためにも、学校のICT活用力の向上は必須です。

令和3年度より、新富町は小中学生約1400人に1人1台のタブレット端末を準備します。校内どこでもWi-Fiでネット接続が可能になる一方、家庭でのネット環境をどう対応するのかはこれからの課題です。

それを受け、まずは教員が一歩踏み入れるため、10月14日に町内4校オンライン研修会を実施。こゆ財団の中山により、来春より採用が決まっている『ロイロノート・スクール』の説明と体験が行われました。新富町は、学力向上もGIGAスクール構想への対応も危機的感覚で取り組む必要がある、と中倉さんは話します。

20年後、今ある職業の6割は消滅すると言われています。

これまでと全く違った時代のなか、個性を生かし、自分らしく生きる子どもたちをどのようにして育てていくのか。指導の少人数化、スクールサポートスタッフの配置や部活動外部指導者の導入など、今後、あるべき学校の姿への改革が求められています。

我が孫を想い、
受講生からの質問も

講話を終え、受講生から質問が上がりました。

Q.家で孫はスマホばっかり触っている。町内小中学生のスマホ所有率はどのくらい?
中倉さん:中学2年生で6〜7割、小学6年生で5割程度です。

Q.子どもの読解力を高めるために家庭でできることは?
中倉さん:日常的に子どもに問いを投げかけ、対話をし、答えさせることです。時間をかけてじっくりと、お子さん・お孫さんと対話を繰り返してあげてください。


▲教科書にあるQRコードを指し示す中倉さん

学校教育の専門家によるリアルな話に、目からウロコ状態で視聴した受講生たち。孫や地域の子どもたちをどう見守っていくべきか、考えさせられた時間でした。

次回はいよいよ今年度最終回。教員生活35年、これまで運営側で活躍した生涯学習課の石谷さんが講師を務めます!