お知らせ

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「こゆみらいの学校」は、「いまよりちょっと自分を好きになる」をテーマに、自分の興味関心を再発見することで「何か挑戦したい」、「一歩踏み出したい」人たちを応援する学びの場。新富町で「世界で一番チャレンジをしやすい町」を目指す「こゆ財団」が、昨年に引き続き開催しています。

9月1日からこれまで4回の講座を通して、参加者同士で励まし合いながら自分の好きに向き合い、ビジネスを通じて発信するスキルを学んできました。

10月30日に開催された「最終発表」では、全受講生20名中のうち14名がこれまでの取り組み発表やビジネス案を披露し、その後、希望者による模擬出店を行いました。


互いに励まし合いながら、まずは小さなビジネスを形にする


会場の新富町交流センター「きらり」には町内からの見学者も来場。見届け人として斉田商事代表の斉田知明さんと松浦牧場の松浦千博さんにゲストを務めていただきました。

最終発表を前に挨拶したの「こゆみらいの学校」の企画運営担当の有賀紗樹。本講座で重視している「3つのお願い」と、発表するビジネスモデルの前提となる、月3万円稼ぐビジネスモデル創り「3ビズ」について説明しました。

■3つのお願い

  1. イエス・アンドからはじめよう:合言葉は「いいね」で、相手も自分自身も否定しないこと
  2. 考えるよりも行動:発表の後の模擬出店を、11月13日のイベントに向けてのお客さんのリアルな反応を得る体験の場として設定
  3. 1人の天才より、100人の変人:それぞれの個性を生かして、自分が一番幸せな形を表現することを目指しているので、他の人とは比べないこと

■3ビズの7つのルール

  1. いいことしか仕事にしない
  2. 奪い合わないで分かち合う
  3. 支出を減らす
  4. ノーリスク(借金などのリスクを背負わない)
  5. 2日(月に合計16時間)しか時間を掛けない
  6. みんなで生み出す(1人で悩まず、ワイワイ楽しみながらアイデアを考える)
  7. ネットで売らない(対面の場でのビジネスモデルを考える)

今回の発表者はこれまで4回の講座を通じて、この3つのお願いを念頭に参加者同士で互いに声を掛け合いながら自分の好きや得意なことを見つめ直し、自分たちの手でできる3万円を稼ぐビジネスモデルを考案し発表に臨んでいます。


それぞれの好きが自分なりのビジネスになる


前半7名の最終発表では、「新富町の特産品を生かした箸置きや小物(ガチャガチャ)」や「自作のアート作品をTシャツに」、「スポーツアフターケア」、「漢方のオンライン診療」など、自身の経験や特技を生かしたビジネスモデルの発表が行われました。

具体的なプランまでたどり着いていない発表者も、今回の講座を通してみつけた自分のやりたい事を真摯に語っていました。発表と一緒に今回出店する商品のお披露目もあり、その完成度の高さに「すごい!」という会場からの声も。

受講者や見学者共に発表に真剣に耳を傾けながらも、会場は終始穏やかな雰囲気で進行。発表ごとに行われたフィードバックでは、見届け人のお二人や参加者からの前向きな応援の声やビジネスプランに対する具体的な質問が飛び交いました。


一歩踏み出したことで見えてきた手応えや課題も


前半の発表であっという間に1時間が経過して、小休憩に。会場には応援に駆けつけてくれた新富町公式キャラクター“おとみちゃん”の姿も。

後半の7名の発表がスタート。「『結ばない帯結び』の着付け体験」、「写真でみやざきのアートイベントに出品」、「素材のこだわった手作りパン教室」、「旬の果実×ハーブの『コーディアルシロップ』」など、後半も魅力的な発表が続きました。

飲料水の商品販売のビジネスプランでは具体的に販売方法を考える中で制度の壁が見つかることも。とりあえずやってみることの重要性を感じた瞬間でした。

14の発表すべてにそれぞれの好きや得意なこと、問題意識が詰まっており、それがなおかつビジネスとして形になっていることに驚かされた2時間の最終発表でした。


ここはまだ中間地点、やりたいで終わらせるのはもったいない


14名の最終発表を終えて、総評へ。

若くして会社を経営する斉田さんと松浦さんのお二人。受講者も事業を行う同じ経営者として捉え、これまでの感想と応援のお言葉をいただきました。

斉田さん:「11月13日をまず第一弾として、まだその先にもいろいろとチャレンジできることがあると思いますので、皆さんの頑張りを応援しています」

松浦さん:「どれも皆さんの好きが詰まった素敵な発表ばかりでした。松浦牧場も『命の循環』をテーマにワークショップをしているので、ぜひご一緒できたらなと思いました」

最後に、有賀と一緒に運営側として伴走してきたこゆ財団中山による、エールを込めた結びの挨拶で会は締められました。

中山:「今日はあくまでも中間地点です。今日が終わりではなく11月、そしてその先もチャレンジを続けてもらいたいと思います。今回出店に至らなかった方も『やりたい』で終わらせてしまうのはもったいないので、他の方の取り組みを参考にして実際のステップにつなげていただければ」


初の接客体験の場は貴重な意見交換の機会に


模擬出店には11月13日の「まちなか文化祭」に出店予定の10名の受講者が参加。13日の本番に向けて、基本的には身内向けのクローズドな場として模擬出店を開催。店開始に合わせて、受講者の関係者や講座関係者ら来場。ゲストも交えて、会場は次第ににぎやかな雰囲気になりました。

これまでに出店経験がない参加者が多いにも関わらず、皆さん自信を持って接客にあたっていました。

日本ではほとんど見かけないアフリカなどでは主食にもなる「キャッサバ」の販売。他にも相談者の様々なお悩みに対して、直感でメッセージをお伝えするお店など、一般的なイベント出店ではお目にかかれない個性あふれるお店が揃っていました。

今回の模擬出店では販売という形ではなく、ワークショップや試作品の試飲という形式で行う受講者も。

出店したお店のあちらこちらで受講者、ゲストも交えて真剣に話し合う光景がみられました。

また、「世界中に太陽のような輝く笑顔を咲かせるサルサダンサー」、Radiance宮崎代表の屋宜直美さんと、インクルーシブラボ代表の坂本麻季子さんには、すでに事業をはじめている先輩として『お世話人』を担っていただき、講座ごとの感想のシェアなど受講生間のコミュニケーションを率先して引っ張っていただきました。

 


一歩を踏み出したことにより得た仲間の存在


受講者の方何名かに最終発表を含めた本講座の感想をお伺いしました。

 

「昨年の講座に続いて参加しました。前回に比べて具体的に何をするという実行するところまで踏み込んだ講座で、参加した意義がすごくありました」(受講生)

「自分は何がしたいのかよくわからないが何かしたいというところから参加して、講座を通して忘れていた自分のやりたいことを思い出せました。いろんな方からいろんな話が聞けて、温かい言葉をかけられることも多く、参加してほんとうによかったです」(受講生)

「参加した皆さんが私のビジネスプランに対して『いいね』など、プラスになることを言ってサポートしてくださる環境にとても助けられました。それぞれのいろんなアイデアを聞くことで自分自身のアイデアもさらに膨らみ、私がやりたいことと3ビズもぴったり合いました」(受講生)

 

最終発表や模擬出店を通して特に感じたことは、参加者同士が作り出す穏やかな空気感や自分の好きを形にしたビジネスプランを自分の言葉でしっかりと話す力強い姿です。参加者の皆さんのインタビューを通して、皆さんが一歩踏み出せたのは互いに励まし合いながら2ヶ月間共に頑張ってきた仲間の支えがあったのだなと実感しました。

最後に、講座を企画運営し受講生のチャレンジを見守ってきた有賀よりコメントです。

有賀:「今回は11月13日のイベント出店をはじめから決めて、逆算した実践的な内容の講座になっています。目に見えるゴールがあるため人によっては難しい面もありましたが、最後まで残った方々は同じところを目指す仲間になったのではないでしょうか。本番の『まちなか文化祭』は初めてだらけの人たちがまずチャレンジする場所です。『ただのアイデアで終わらせずに、私たちやりきったよね』と自己肯定感が上がる場にしてほしいと願っています」

「まちなか文化祭」

日時:2022年11月13日(日曜)10時〜14時

場所:新富町総合交流センター「きらり」

内容:「こゆみらいの学校」の受講生が2ヶ月間かけて、自分たちの好きを形にしたお店が集まるチャレンジの祭典。「初めての出張マッサージ」や「初めての出張写真館」など10数店舗の出店を予定。

初心者だらけのチャレンジ精神にあふれたお店を温かい目でお楽しみください。応援隊として町内の人気飲食店も出店予定!

Photo&Written by Tomoaki Hidaka(「地域を編集する学校」卒業生)