お知らせ

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取引先から「会社名」ではなく、個人名で呼ばれたい。そう思うことはありませんか?
キャラクターや仕事ぶりを自らデザインしていくことが、その答えにつながっていきそうです。ひいては、地域ブランドづくりのカギもそこにあるのでしょうか?
デザイナーのタムラカイさん、通称・タムカイさんが、こゆ財団の齋藤、稲田と語るオンライン対談です。

■開催:2020年11月17日(火)15:30~17:00 オンライン開催
■対談テーマ:地域ブランドのつくりかた~人と組織に寄り添い、変革の仕掛けと仕組みをデザインする方法~
■オンライン動画コチラから
■ゲスト講師:タムラ カイ 氏(Transformation Designer)
■モデレーター:齋藤潤一(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 代表理事)
■ファシリテーター:稲田佑太朗(一般社団法人こゆ地域教育研究所 代表理事)

好きな「絵」を仕事に取り入れたら
会社全体が変わり始めた?

自らの肩書きをトランスフォーメーションデザイナー(Transformation Designer)と称し、「人が変わる組織が変わる瞬間をデザインで後押しする仕事」というタムカイさん。いつも着ている水玉模様のシャツがトレードマークです。

そんなタムカイさんの転機となったのが2008年。新卒時から勤務する富士通で仕事をしながら、「富士通さん」ではなく「タムラさん」と呼ばれたいと思ったこと。会社の仕事はしているけれど、ひとりでは何の価値も生み出せていない働き方だったことに気づいたのです。
そして自分は何ができるのか、自分の軸はどこにあるんだろうと模索を続け、ブロガーとして知られるようになったり、好きな絵を生かしてラクガキ講座をやったり。それが楽しくなり会社の外に友達も増え、『ラクガキノート術』という書籍も出版するほどに。


▲2014年から開催したラクガキ講座

好きなことをして人気が出たりすると、即「独立」を考えそうなところなのに、タムカイさんはなぜ会社員を続けているのでしょう。こゆ財団・稲田の問いにはこう答えます。
「みんなが『独立』がいいと言うのなら、その逆はもっと面白そう。好きなこと、楽しいことを会社に導入して、そこから全体が変わる瞬間を見てみたいと思うようになりました」

入社当時はウェブ系のデザイナーとして仕事をしていたタムカイさんですが、メモやプレゼン資料に絵を描いてわかりやすく伝えるグラフィックレコーディング(グラレコ)の手法を用いて「見える化」を図るなど、デザインの力を仕事に反映させていきました。グラレコは後に、「グラフィックカタリスト」と命名され、お互いに伝えあったり、議論をするツールとして社内に定着していきます。


▲自分の感情と向き合うために、エモグラフィという人の顔を描く「落書き」も披露

自分の存在意義について掘り下げる
それがブランドづくりにつながる

現在進行中の会社の変革プロジェクトに当たっても、全体像や流れをデザインする役割を担っています。やってみよう、試してみようと思う創造性をちょっと後押ししてあげるのが自分の仕事だと言い、そうやって世界中の人が創造性のレベルを1つ上げていけば世界は変わるというのが持論です。

タムカイさんの水玉シャツをパーソナルブランディングの例として挙げると、当初は派手な柄シャツのひとつとして水玉を着ていたところ、だんだん水玉=タムカイが印象付けられて、それを自分のキャラクターとして受け入れた結果なのだとか。むしろ「他人から言われて、それを選んだ」とも。

「そこにあるのは、自覚と覚悟」とタムカイさん。対話で生まれる気づきや提案を「らしさ」と受け入れて、続けようと思わなくても続けられるもの。それがタムカイさん流のブランド作りなのです。


▲タムカイさんの水玉シャツの変遷

稲田:ではそうやって生み出すブランドって、一体なんでしょうか?
タムカイ:いつもそこに立ち戻る価値観の軸みたいなもの。何かを判断する時にぶれない軸があれば、みんなが迷わずに済みます。

地域ブランドづくりは、他者の視点を
本気で見つめてみることから

こゆ財団の齋藤は地域ブランディングについて、「何から始めたらよいか」問いかけます。

タムカイ:まず目についたことから全部やれ、ってよく言います。やったことの中にしかやりたいことはないと思います。最終的にはアクションです。

個人も地域も、決して同じものは存在しない。対話の中で思いがけず指摘された点を、本気になって掘り下げてみることがブランドづくりに発展する可能性があります。
「まじで? じゃあこれもっと見せてやるか! みたいに本気になってやってみれば、地域ブランドもうまくいくかも」とタムカイさん。
みんなが感じてくれる価値を受け入れながらやってみる。そこにはパーソナルブランディングづくりで培った「人間を見る力が試される」と、地域にエールを送ってもらいました。