お知らせ

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企業×地域=無限の可能性を探る、というコンセプトのもと今年からスタートした「こゆチャレンジ大学(略してこゆチャレ)」。

第4回目はゲストに株式会社FinTの石本 亮氏を招聘。「世界をまるごとハッピーに」というビジョンを掲げ、SNSを起点とした企業の認知獲得に貢献、「これからを創る」を実現されているSNSマーケティングのプロから見る、地方におけるファンの獲得の仕方とは? こゆ財団の高橋との対談形式で、オンラインイベントを開催しました。

■開催:2021年7月19日(月) オンライン開催

■対談テーマ:「ファンを創る」

■オンライン動画はコチラから(You Tubeページに飛びます)

■ゲスト講師 石本 亮氏(株式会社FinT

■対談相手:高橋邦男(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 執行理事)

■モデレーター:有賀沙樹(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 広報イノベーション専門官)


世界一チャレンジしやすいまちが仕掛ける

SNSを駆使した関係人口創出


地域商社こゆ財団では、「世界一チャレンジしやすいまち」を掲げ、宮崎県新富町のまちづくりを推進しています。中でも、ふるさと納税の額は年々増えており、貴重な財源としてまちづくりに還元されています。人気の新富ライチ、味鰻の蒲焼、しんとみ野菜の詰め合わせなど、特設サイト(※楽天ページに飛びます)を始め各種SNSでは季節ごとにお勧めの商品を紹介しています。

また、インスタやTwitterでは日々新富町の風景や事業者、農家さん、イベント、新商品などを紹介しており、積極的な情報発信に取り組んでいます。結果、様々な関係人口が増え、実際に新富町へ足を運んでもらえるきっかけ作りにもなっています。

とは言え、まだまだ私たちもSNSマーケティングについては学ぶことが多く、届けたい人たちに旬の情報を正しく伝えるためにも、今回はSNSマーケティングのプロであるFinTへお声がけをして、オンラインイベントの実現に至りました。


当事者の立場に立って

スキを活かして発信し続けることが大切


高橋「まるで雑誌ですね」

FinTが手掛けるフォロワー20万人のSucle(シュクレ)のインスタ画面を見た、こゆ財団高橋の第一声がこれでした。元雑誌の編集をしていた高橋ならではの感想だったと思いますが、まさに雑誌の特集記事のような作りで有益な情報が映える写真と共にまとめられていました。

高橋が注目したのが、その絶妙なテーマ選びでした。特に、『海での撮り方』など潜在的なフォロワーの欲求に応えた投稿の反応は大きく、高橋もその着眼点にさすがと舌を巻いていました。

石本さん「社員も責任者としてはいますが、実際にコンテンツを考えているのはSucleが好きな、まさにターゲットフォロワー層であるインターン生です」

ビジネススキルの高さよりも、日頃からハッシュタグ検索をしていたり、流行りや映え写真にアンテナを張っている感度が高い人がいるかどうかが、大きいと石本さんは言います。

石本さん「SNSってスタートするのは簡単でも続けるのは簡単ではないんですよね。次第にコンテンツが不足したり、結果が出るまでに時間がかかるので方向性が分からなくなったり…だからこそ、好きでそれを活かせる人がいるっているのは非常に大事になってくると思いますね」


1つ1つ実際に試しながら

PDCAを回して検証していく


明日から出来るSNS投稿の効果測定について、分析のポイントも教えていただきました。

インサイト>リーチ数(投稿を閲覧したユーザー数)をチェック

投稿を継続していると、中には平均を著しく超えるもの、反対に届かないものが出てきます。その理由を仮説で良いので言語化し、再現性を高めていくと言います。

仮説の立て方も実例を元に教えてくださいました。例えば、「いちごの数は1つのみよりも、複数の方がリーチが高い」「机に置くよりも手間に置いた至近距離の方がいい」など、1つ1つ、それこそ泥臭く検証をされていました。

また、SNS側が会社の方向性としてリールなど動画コンテンツの強化をすると明言しているので、そういった点からも今後動画コンテンツの方が伸びやすいと言えるそうです。

まずは数を稼いで出していく、というスタイルでこゆ財団はコンテンツを増やしていたものの、分析はまだまだ余地がある部分なので、ここは私たちとしても実践していきたいところだと思いました。


他社の実例に学ぶ


新富町の芋を100%使った焼酎「新富」がリリースされ、順次予約販売がスタートするのですが、これを受けて石本さんから同じお酒という分野において、Twitterを駆使してマーケティングに成功されている事例を教えていただきました。

例えば、日本酒のB to Cの会社KURANDさんは12万フォロワーをTwitterで獲得しており、エゴサーチを徹底的にされて1日20もの口コミ投稿などをされていました。

石本さん「お酒は一定数需要があるので、攻めがいがあるなと思います」

また、直近の成功事例として島根県のやすもと醤油さんのTwitterも紹介いただきました。ある1つの「中のひと運用」がそのユーモアで、たった1日で数万フォロワーを獲得していました。気になる方はぜひTwitterで確認してみてください。ちなみにきっかけとなった投稿はこちらです。

なかなか狙ってできるものでもないですが、インフルエンサーでなくても注目を集めることができる事例として非常に参考になる投稿でした。


新富町の公式キャラクターおとみちゃんが

バズる予感!!?


現在、こゆ財団では特に新富町の公式キャラクターおとみちゃんのTwitterに力を注いでいます。

石本さん「おとみちゃん、凄いですよ!何が凄いかって言うと、フォロワー200人に対して(※最新8月15日時点でフォロワー294名に増えました)、いいねが58とかつくんですよね。数万フォロワーがいても、いいねが20~30の企業アカウントもあるので、非常にエンゲージメント(アクションを起こしたユーザーの割合)がいいです。愛されているのが分かりますね」

まだこの時点で、おとみちゃんがTwitterを始めてから1カ月程度でしたが、SNSマーケティングのプロに、「この短期間でこの結果はバズるポテンシャルしかない」と言われ、高橋も私も非常に嬉しくなりました。

リツイートさせるには仕掛けとなるフックが必要で、①純粋に面白いバラエティー性の高さ、②情報価値の高さが必要だと言います。①に関しては狙いすぎると滑る可能性もあるが、Twitterはすぐに流れていくのでそこまで気にしなくていいと石本さんが仰っていたもの印象的でした。おとみちゃんの私生活のつぶやきに加え、ちょっと役立つ新富町の情報の発信なども今後していきたいと思いました。


バズらせる視点から

徹底した顧客目線へ


その他、ローカルインフルエンサーの実例も教えていただくなど、非常に学びの多い回となりました。TVやメディアよりも、圧倒的にインスタが検索、情報収集する際の主力ツールになっています。それだけに、後で見返すように保存したくなる、情報価値の高いものを投稿していくことが鍵になるといいます。

高橋「映えるとかバズるとかに引っ張られ過ぎてユーザー心理を置いてきぼりにしていたかも、と思いました。私も出かける時に観光スポットをインスタで検索しているので、もう一度ユーザー目線に立ち帰って情報価値の高いものをしっかりと発信していくことが大事なんですね」

横浜市や広島市など、インスタ運用を成功させている自治体もあるので参考にしながら、映える×情報価値の高さ、に注目して実践、同様にSNSマーケティングを試みている新富町の事業者さんたちと共に成長できればと思いました。

石本さん「ハッシュタグもユーザーが実際に検索することを想定してつけないと意味がないので、例えばリップの投稿でも、#おすすめリップ、#オレンジリップなどにして、検索してもらえるワードを想定することが大事です。また、数もMAX30つければいい訳ではないです。上位表示を制限されてしまうので関連性のないタグをつけるぐらいなら、無理やり数はつけない方がいいです」

高橋「すべてにおいて、ユーザー目線なんですね

石本さん「大切な人や大好きなことと、あなたを近づけるというインスタのミッションがあるので、全てインスタの仕組みはそれに則っているんですよね」

例えば、#しんとみグルメなど共通タグを決めて、町内の飲食店が一斉に発信を始めると、次第にユーザーが同様のタグをつけてくれるようになると言います。そこから横にまた友人づてに発信が広がっていくので、町で協力してタグ付け作戦ができると、質の高い口コミ投稿にも繋がる、これはぜひやってみたいと思いました。

今回はSNSマーケティングに特化して、新富町のコンテンツを実例に色々とお話を伺いました。ぜひ、実際にやってみたいこと、次の企みについても検討中なので、決まり次第皆様にもお知らせさせて頂きます。

今後も、こゆ財団はこゆチャレを通じて、様々な掛け合わせを楽しみながら新しい可能性の拡大へチャレンジして参ります。引き続きお楽しみください。

written by Saki Ariga