こゆ財団では、2021年8月31日~11月20日の期間、「いまよりちょっと自分を好きになる」をコンセプトに「こゆ みらいの学校」を企画。様々な方法でチャレンジをし、自分らしく生きるため行動している方々をゲスト講師にお迎え。全5回講座を通じて一歩を踏み出すヒントを得ながら、少しずつ自分と向き合い、今より1㎜でも5㎝でも前に進むための学校です。
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8/31、ついにこの「こゆ みらいの学校」がスタート!最終的に新富町内外から30名の方々にご応募いただき、初回は29名の方にご参加いただきました。あいにく、社会情勢を考慮してオンライン実施でのスタートとなりましたが、無事に笑顔でスタートを切ることが出来ましたのでご報告いたします。
昨日までの自分が今日の自分をつくる
だからこそ、いつだって今日の自分が最強
記念すべき初回のゲスト講師には、KIGURUMI.BIZの代表取締役加納ひろみさんをお迎え。工場ごと新富町に移転し、こゆ財団の並びワンブロック先に拠点を構えています。
宮崎県出身。Appleほか外資系企業勤務の後宮崎にUターンし、98年ステージクルー(現KIGURUMI.BIZ)入社。2017年7月代表取締役就任。みやざき女性の活躍推進会議共同代表。宮崎県総合計画審議会委員。宮崎県男女共同参画審議会委員。ものづくりとキャラクターを通して新富町から世界中に「楽しい」を届けている。
加納さん「私の人生って、ちゃんと計画されたものではなくて、好きなことや気になることがあると、そっちにフラフラっと行ってしまうというのを繰り返してきています。突っ走った結果、その分傷もおってるし失敗もあるんですけど、好きなことはやるってことだけは守って生きてきました。昨日までの自分が今日の私を作っていると信じているので、そう思うと今日の自分が最強だと思えるんです。だからどんなことも自分の糧になる、未来に役立つことだなと思っています。皆さんと同じように、私も日々悩みながら生きていますので、今日は皆さんから元気をもらいたいと思います」
加納さんは会社の代表であり、女性活躍推進にも積極的に取り組んでいらっしゃる成功者のイメージが強く、当初講座参加者の方にとってはやや遠い存在に思えていたようですが、冒頭でこのようなメッセージをいただいたことで参加者の皆さんが大きく頷いている様子が印象的でした。
加納さんとこゆ財団の関係性は深く、新富町公式キャラクターである「おとみちゃん」の生みの親としても大変お世話になっています。本講座では2021年4月にデビューしたおとみちゃんの誕生秘話、そこから着ぐるみに込められた想いなどもお聞きしました。
加納さん「昨年7月に新富町に引っ越してきて、新富町にキャラクターがいないことを知りました。町長からも作って欲しいという声を頂いたのでそこから作ることになったんですけど、KIGURUMI.BIZに丸投げしてもらってもつまらないので、コンセプトを考えるところから新富町の子どもたちと一緒にやりたいなと思いました」
子ども達とオンラインでコンセプトを決めるために打合せをしたり、実際に町内を歩いて町の「色」を探したり、おとみちゃんの靴をデザインしたり、アクセサリーやTシャツのデザインを考えたり…その後も何度も町内の子どもたちを巻き込んでワークショップを実施し、おとみちゃんの世界観を作り上げています。
加納さん「おとみちゃんが夢を叶えることで子どもたちも夢を叶えられ、一緒に成長していくキャラクターにしたかったんですね。作っている間は着ぐるみなんですが、出来上がって工場を出た瞬間、もう着ぐるみではなくなるんだよ、と子どもたちにも伝えています。おとみちゃんを単なる道具ではなく、こども達と心を通わせることができるキャラクターにしたいと思っています。おとみちゃんは、子ども達の想いを受けて成長します。もしも悲しいことがあったら成長が止まるかもしれないんです。おとみちゃんには最初からスターにはなって欲しくはなくて、子どもたちと一緒に夢をみながら成長していってほしいです。そんなおとみちゃんの人生をみんなで大事にしたいと思っています」
チャンスの切符は、
2枚も3枚もあるわけではない
キャラクターへの愛を語ってくださった加納さんですが、既に実績もある方にも関わらず常に新しいことへチャレンジされている姿も非常に印象的でした。本講座もチャレンジしたい方が多く集まっていますが、どうしても最初の一歩が踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか? そこで、どうやって最初の一歩を踏み出しているのかをお聞きしました。
加納さん「私、すごく好奇心の強い…欲張りなんです(笑)美味しいものがあったら全部食べたいタイプ。私を動かしているのは「好き」っていう言葉ひとつで、好きなことがあったらとにかく手を出す!食べたらまずいのかもしれないけど、好きだなと思ったらとりあえず取りに行くんです。それも、出来れば一番最初に欲しい。私はどんなことにも切符があると思っています。でもそれって10枚も100枚もない、せいぜい2~3枚しかないと思うから出来るだけ早く切符を取りに行くことをいまでも心掛けています。やりたいと思っても、その切符を見つめながら『どうしよう、どうしよう』と言ってるとだれかに持って行かれてしまうでしょ。だからとりあえず取りに行く」
有賀「まず行動なんですね」
加納さん「そう、でも本当に好きなことは悩まずともとりに行くような気がする。ワクワクして早く取りに行かないと誰かに取られちゃう!みたいな感じで。だからすごく欲張りなんですよ(笑)」
結果、チケットでいっぱいになっちゃうこともあるそうですが、段々と自分に必要な切符がわかってくると加納さんは言います。直近では旭化成のアクセラレータプログラムに応募し、服薬管理をサポートする「やさしい薬箱」というプロジェクトで優秀賞に選ばれています。まさに新しいチャレンジに取り組まれています。
加納さん「やりたいことを言い続けていると、やりたい人が社内外から集まってきて繋がってくるんですよね」
そう話す加納さんからも、今を楽しんでいる様子が伝わってきました。
例え失敗しても、
新富町に居るから大丈夫
講座内では参加者にだけ明かされた貴重な話も沢山あり、参加者の皆さんからの質問も色々な内容が飛び出しました。中でも「挑戦する際に沸き起こる恐怖との向かい方」という質問に対する回答が印象に残りました。
加納さん「私は本当に怖がりで、石橋を叩きながらじゃないとなんにもできないんです。若い時の方が無知だった分、怖がらずに挑戦できたんですけど、失敗と反省を何度も繰り返してきたので年齢を重ねると共にどんどんいろんなことが怖くなってきました。周りの人や怖さを打ち消してくれる仲間が『やろうやろう』と言ってくれるので出来ているだけで、私1人だったら怖くてなんにもできないと思います」
加納さんは、「私自身が憧れている方々もきっと同じだと思う」と話してくださいました。「人間だから、上に立つ人も、成果を出して成功しているように見える人も、きっと内心ではとても怖いと思ってるはず。でもそこで止まってしまったら終わりなので、前に進むためには仲間の存在が重要なんです」と話して下さいました。
加納さん「何が怖いんだろうと考えると、失敗した時にどうしようとか、人から何か言われるのが怖いと考えるんですよね。つまり自分のことではなく周りのことを気にしていることが多いですよね。アメリカには失敗は当たり前だよという文化がありますが、こゆ財団がチャレンジフィールドを中心に『失敗してもいいよ、応援するよ』という空気を創ろうとされているので、私は何か失敗しても新富町にいるから大丈夫だろうと本気で思ってます(笑)」
講座を自己解放を楽しむ時間に
後半はおとみちゃんのTシャツをデザインするというお題で、加納さんのお話をヒントに各自好きにデザインをしていきました。
ここでは、「デザインに必要な物とは?」という問いを投げかけて取り組んでいただき、各自のデザインに込めた想いと問いに対する考えをグループ内で共有いただきました。
皆さんから出てきた意見を幾つか紹介いたします。
「デザインに必要な物とは?」
・見て伝わるストーリー性
・見た人が元気になる、モチベーションが上がる要素
・伝えたい想いやメッセージ
・共感が得られるポイント
・コミュニケーションツールになる要素
もちろん正解はありません。まずはここも他者の目を気にせずに好きに描く、自由に表現する、というこをにチャレンジいただきました。
また、こゆみらいの学校では「いまよりちょっと自分を好きになる」をテーマに、最終日には発表の場を設けています。11月20日の最終日までに、ぜひご自身の魅せ方をデザインしていただき、想いを伝えていただきたいと思います。
次回は9月7日にオンラインで2限目を実施します。都度こちらで報告いたしますので、お楽しみに!
written by Saki Ariga