ライチの季節到来。新富町産ライチと向き合う20年の挑戦【森緑園/森哲也さん】
6月、新富町にライチの季節がやってきました。
毎年、多くの人が楽しみにしている新富町産ライチ。今年も収穫シーズンを迎えています。
近年はふるさと納税などを通じて全国にファンが広がっています。その栽培を20年近く続けてきたのが、生産者の森哲也さんです。
今年のライチの出来や栽培への想いについて話を聞きました。
ライチが実る、特別な季節
新富町を代表する特産品のひとつとなった新富町産ライチ。国内で流通するライチの多くは輸入品で、国産ライチは全体の約1%といわれています。そのため、国産ライチは希少な果物として知られています。

気候条件を受けやすく、収穫できる時期も限られていることから、旬を楽しめる時期は毎年わずか2ヶ月程です。
ライチ栽培をしていて一番印象に残っていることを聞くと、森さんは「ライチが実っている景色が好きなんです」と話します。
枝いっぱいに実ったライチがハウス一面に広がる景色。少しずつ赤く色づいた実が並ぶ様子を見ると、それまでの苦労が報われたような気持ちになるのだそうです。
毎年同じように実をつけるとは限らないライチだからこそ、その光景は特別なものになっています。
「この味をもっとたくさんの人に」。原点は父親が育てたライチ
森さんがライチ栽培を始めたきっかけは、父親が育てたライチでした。
当時、国内産ライチは今以上に珍しく、ライチは海外から輸入される果物というイメージが一般的でした。そんな中、父親が育てたライチを食べた森さんは、そのおいしさに驚き、「この味をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」と感じます。

父親が育てたライチのおいしさに魅力を感じるとともに、「人がやっていないことに挑戦したい」という想いも、ライチ栽培を始める後押しとなりました。
以前、森さんは洋蘭の仕事に携わっていました。しかし、花を育てる仕事には病気との闘いも多く、暗い気持ちになることも多かったといいます。
「仕事をするなら、楽しくないと嫌なんです」
そう話す森さん。父親から受け継いだライチのおいしさをもっと多くの人に届けたい。その想いを胸に、ライチ栽培への挑戦を決意しました。
しかし、ライチ栽培は決して簡単なものではなく、天候や温度管理、病害虫などさまざまな課題と向き合いながら、一歩ずつ栽培方法を築いていく日々が始まりました。
ライチを栽培して約20年。思い通りにできたのは1回だけ
「20年近くやってきて、思い通りにできたのは1回だけですね」と笑いながら話す森さん。
ライチは天候や温度、病害虫などさまざまな条件に左右され、毎年安定して収穫することは簡単ではありません。実がすべて割れてしまった年も。一昨年には収穫量が大きく減少し、ふるさと納税の受付を停止する事態にもなりました。
同じように育てていても、毎年同じ結果になるわけではありません。思い通りにいかないことの方が多いといいます。
「失敗しなきゃ覚えないですから」
その言葉の通り、一つひとつ課題と向き合いながら栽培方法を改良してきました。自然相手だからこそ難しい。それでも安定して届けられる新富町産ライチを目指し、森さんは20年近く挑戦を続けています。
経験が生んだ春摘みライチ
今年、森さんは新たな挑戦として「春摘みライチ」をふるさと納税へ初出品しました。
通常、ライチの旬は6月から夏にかけて。しかし森さんは、「もっと長い期間ライチを楽しんでほしい」という想いから、出荷時期を早める栽培に取り組んできました。
ライチは自然に育てると夏に実をつける果物です。花を咲かせるためには温度管理などの工夫が必要で、思い通りに開花させることは簡単ではありません。ハウスごとの温度調整を行いながら収穫時期をずらすなど、細かな管理を重ねることで春摘みライチは実現しました。

20年近く栽培を続けてきてもなお、天候や気温によって結果は大きく左右され、自然相手だからこそ、毎年思い通りになるとは限りません。それでも、森さんは試行錯誤を重ねながら栽培方法を改良し、より良いライチづくりを追い求めてきました。
「生産者として実をならせてこそ意味がある」森さんの言葉からは、自然相手の厳しさと向き合い続けてきた20年の重みが感じられました。
今年もまた、新富町産ライチの季節が始まります。
20年近く挑戦を重ねてきた森さんのライチ。その一粒一粒に込められた想いも一緒に味わってみてください。
【販売店舗】
こゆ農畜産物直売所ルーピン
宮崎山形屋
宮崎ブーゲンビリア空港
※販売時期や入荷状況により、取り扱いが異なる場合があります
【会社概要】
有限会社 森緑園
住所:宮崎県児湯郡新富町大字日置3310ー2
