子供達の記憶に残るまちづくり。商店街のイベントを町のカルチャーに:鈴木伸吾さん

新富町の地域商社「こゆ財団」で、こゆ朝市の運営を担当している鈴木伸吾さん。
平成29年から未経験から始めた運営の苦労話や、今後の展望について伺った。

地域が主体性を持って作るイベント

—1年半前と比べて朝市に何か変化はありますか?

鈴木:毎月出展者や来場者が増えてきて、最近では県外からや出展の募集をしていない事業所さんも参加してくれるようになり、続けてきたことで少しずつではありますが認知度が上がってきているような実感があります。

また、朝市を再開した当初は、地元の方になかなか理解してもらえず1人でもがいている時期がありましたが、今は第3日曜になると商工会を始め、地元の人が率先して協力してもらえるようなイベントになったことが大きな変化と言えます。

子供の記憶に残したい人との繋がり

—子供達の様子はどうですか?

鈴木:最近では朝市以外の日でも外を歩いていると、

「鈴木さんこんにちは!」
「次の朝市も遊びに行くわー」

と、子供達が声をかけてくれるのです。
朝市を楽しんでもらいたいと続けていたのですが、子供達の思い出の中に、これまで他人だった私が残っていてくれると考えると最高に嬉しい出来事でした。

遊ぶことを目的に集まった子供達が、いつの間にか地域の方との交流も朝市に来る目的になっている現状を見ていると、本当に朝市を続けてきて良かったと感じます。

本当に地域のためになっているのか?

—これまで朝市を続けていく中でどのような苦労がありましたか?

鈴木:始めた当初は、地域復興のためと意気込んでいました。
しかし、地域復興という言葉自体、人それぞれ捉え方があると感じるようになり、果たして自分がやっていることは正解なのか分からなくなり壁にぶつかりました。

新富町のため。地元の人たちのため。
そんな想いでやっていても、これは自分のエゴじゃないのか?

そう考えると不安になり、今でも悩むことがあります。
そんな時に考え方をシフトし、「自分が楽しむ」と考えるようにしたのです。

全員を楽しませることは難しい。
しかし、朝市に来てくれている人は少なからず楽しみにしてくれている訳なので、あとはとにかく自分が楽しむようにしています。

そう考えると、なんとなく肩の力が抜けたような気がしました。

あとは、とにかく仲間の存在が一番。
1人だと本当に何もできなかったと思いますし、財団や地元の方の理解や協力が私を支えてくれているので、続けてこられた1番の要因です。

いつまでも商店街に根付く文化

—今後、朝市がどのようになってくれると良いですか?

鈴木:子供達が地元を離れても懐かしんでくれるものになってもらいたいですね。
私がおじいちゃんになって商店街を訪れたとき、今の子供達が朝市を運営し、

「鈴木さん久しぶり!年取ったねー(笑)」

と、声をかけてもらえると最高。
私の老後の楽しみにもなっています。

新富町の人たちにとって第3日曜日は朝市というイベントではなく、商店街に集まる習慣になると、人同士の交流もさらに密なものになる。

将来的には新富町全域で朝市のようなイベントが開催されるようになると街全体が活気付き面白くなりそうです。

地元だからこそ見えない魅力を再発掘

—今後、新しい取り組みをしていくのですか?

鈴木:観光に力を入れていきます。
新富町のツアーを組む担当になっていて、元旅行会社の方と一緒にプランを練っている段階です。

新富町の魅力を過不足なく伝えるためには、どんな手法がいいのか?
どんなルート、交通手段を選定するのが最適か?

など、未経験のことばかりで勉強することも多いですが、おかげで私自身の課題にも気づけました。

地元のことを知っているつもりで全然知らなかったということです。
生まれ育った町のことなのに、意外と知らないことが多い。

そんな時に頼りになるのが、朝市に来てくれる先輩たちの存在。
これまであまり知られていなかったニッチな情報も教えてくれますし、それがきっかけで新しいイベントを手がけることもあります。

地域ならではのネットワークを利用し、よりよく新富町を知ることで、今以上に好きになると思いますし、様々な切り口が見出せると考えているので、このつながりを最大限に活かして行きたいです。

—今後、どのような人材が必要だと思いますか?

鈴木:今、担当している旅行プランを企画するのに長けた方ですね。
私自身が素人ということもありますが、企画が思うように出せない最大の原因は私が地元の人間だからという点だと思います。

子供の頃から見てきた当たり前の景色なので、古墳や山に海など見方を変えてもやはり普通の光景に見えてしまう。
そんな時に、県外から来られた方の視点で新富町の魅力を見出していただきたいですし、そのような方に取って新富町がどのように見えているのかを知ることも楽しみにしています。

あとは英語のできる方。
インバウンド対策なども地域課題の1つとして挙げられていますが、私自身英語が話せないので、海外の方ともコミュニケーションが取れる語学力も求めています。

私自身も話せるようになるとなおよいのですが(笑)

新富町の良さを1人でも多くの人に知っていただけるようにイベントだけでなく、観光にも力を入れ日本全国にPRできる町にしていくために走り続けていきます。

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子供達が大人になっても新富町が誇れるような町であってもらいたい。
そんな想いを胸に鈴木さんの挑戦は、これからも続いていく。

         
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