お知らせ

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ポーランド出身のピョートル・フェリクス・グジバチ氏が日本で設立したプロノイア・グループは、「誰もが自己実現できる世界を創造する」という未来創造事業に取り組む企業。新型コロナの流行というピンチをチャンスととらえ、「2047年を47都道府県で考えよう」というMIRAI47というプロジェクトを2020年6月からスタートしています。

宮崎県の地域商社・こゆ財団は、“SENSE THE NEW PARADIGM(新しいパラダイムを察知しよう)”、これまでの当たり前にとらわれず「自分と社会を見つめ直そう」と訴えるMIRAI47の活動理念に共感。コロナ禍の9月11日、全国で5番目のイベントを共催する運びとなりました。

このように実現したオンライントークセッションは、これからMIRAI47が越境してこゆ財団や宮崎とつながり未来を共創していくためのキックオフイベント。地域・社会の課題とその解決に必要なパラダイムシフトを生み出す時間となりました。


■開催日時:2020年9月11日(金)15:30〜17:00
■対談テーマ:自己実現する方法〜MIRAI47 宮崎県キックオフイベント〜
■オンライン動画コチラから
■特別講師:ピョートル・フェリクス・グジバチ氏(プロノイア・グループ株式会社 代表取締役)、星野たまえ氏(プロノイア・グループ株式会社COO/シニアコンサルタント)
■モデレーター:齋藤潤一
(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団) 代表理事/ 慶應義塾大学大学院 非常勤講師)
高橋邦男(こゆ財団 執行理事)
福島梓(こゆ財団 ウェルビーイング推進室室長)
稲田佑太朗(一般社団法人こゆ地域教育研究所)

イノベーションの鍵は「越境」のプロセス

「新富町と一緒にやってみたいこと、ありますか?」
「新富町の全ての学校で、起業家精神育成に特化した教育プロジェクトをやってみたいですね」。

MIRAI47の一環で子どもの起業家育成事業にも取り組むピョートルさんは、こゆ財団・高橋の質問にこう答えました。

一方で、「教育」や「EDUCATION」という言葉には違和感も感じている様子。
「どうしても型にはめるイメージがありますが、これから必要なのは“領域のない教育”。そのためには“越境”というプロセスが大事になります」とピョートルさん。

“越境”とは?

地域、年齢、領域、文化、国境…いろいろな境を越えて、多様な人たちがつながり意見を交わすことで、新しい解決方法や価値観が生まれます。AIやテクノロジーの発達とコロナの世界的大流行で、これまでの「当たり前」が今まさに大きく変化しつつある今こそ、地域や領域を越えたコミュニティが未来創造には不可欠なのです。

広島県福山市で高校生とセッションを終えたばかりの、プロノイア・グループCOOの星野さんも福山から参加。MIRAI47について説明をしてくださいました。

「こうやって宮崎や広島と気軽にオンラインでつながって話題を共有できている。仕事もディスカッションも、もはや同じ場所にいる必要がないですよね」(ピョートルさん)

どこにいても、だれとでも、いつでも。

住む場所も仕事も世代も違った人たちが課題を共有して、同じテーブルにつき自分の意見を出し、自分のスキルを提供。当たり前が崩壊した今、教育でも地域課題の解決でも、地理的に、また領域的に越境して交わることこそが思わぬイノベーションを生む鍵と言えそうです。

「いつか」は永遠に来ない
「やってみたい」は「やらないのと同じ」

これまで多くの地方に関わってきたこゆ財団・齋藤が感じてきたのは、「地域は圧倒的に起業家精神が少ない。チャレンジの総量が少ない」ということ。

「地方に住みたい」と感じながら都市部で生活している人たちが、それぞれ地方に行って自己実現に向けて一歩踏み出したら、社会はもっと良くなるはずだ、という見解を示したうえで、「一歩踏み出せずにいる人が、自己実現する方法は?」。齋藤からピョートルさんに投げかけます。

「私は常に『死』を意識しています。今も刻々とできることが失われていくのだから、今日やるべきことは今日やる。そもそも自分は何のために生きているのかを考えて、『こうあるべき』の暗示を解いてみることです」。

人生には限りがあって、「いつか」はそう言っている限り、永遠に来ない。
「いつか〜したい」と考えている人はずっとやらないし、「やってみたい」とは「やらない」と同じことなのです。

「和を守る」日本のリーダーシップが
これからの地域や世界に貢献

一方、日本人の特長でありピョートルさんがこれから期待するのは、「和を守る」タイプの日本のリーダーシップ精神だと話します。

地理的に見ると日本は、中国・台湾・韓国・北朝鮮・ロシアとアメリカに挟まれた位置にあり、いろいろな国や地域とバランスを取る必要があります。
そんな複雑な位置にあるからこそ、「和を守る」という日本的なリーダーシップがこれからの世界に貢献できる大切な役割なのです。

他と競争するのではなく、「一緒にやりましょう」という柔らかい価値観が世界に広がり、政治やビジネスの世界で発揮されたらどんなに素晴らしいことでしょう。

相手を尊重し平等な関係
forよりwithで共創しよう

二人の対談を締めくくり、こゆ財団スタッフを含めての質問タイムへ。

福島:二児の母です。子どもや若い世代とプロジェクトを組む時に大切なことは?

プロノイア・星野さん:いつも私は「これは私が教え伝える時間ではない、一緒に作り上げよう、私が知らないことをみなさんからどんどん教えて欲しい」と伝えます。forではなくwithのスタンスを大切にしていますね。

ピョートルさん:目の前にいる10歳の子どもを、“30〜40年後に世界を変えるすごい人物”と思って話をしてみてください。尊重されていることを感じた彼らはうれしくてどんどん話をしてくれます。爆発的な化学反応が起きて、彼らからエネルギーやアイディアをたくさん受け取ることができますよ。

固定概念を外し、地域も領域も越えたつながりで未来を創造していくことは、きっと楽しいことに違いない。そう思わせてくれるゲストお二人の笑顔がとても印象的なトークセッションとなりました。