お知らせ

お知らせ

「Yes, And!」――やってみよう!が未来をつくる一歩に

2025年5月20日、こゆ財団オフィスで「こゆアカデミー2025」第1回講座が開催されました。今回のテーマは「Yes, And! 〜やってみよう!が未来をつくる:学びのチャンスの創り方〜」。ゲストには、NPO法人じぶん未来クラブ代表の佐野一郎さん、そして新富町出身のサルサダンサー屋宜直美さんを迎え、町内外から集まった参加者と共に「自分らしく一歩を踏み出すこと」について考える時間となりました。

ゲストスピーカー紹介

  • 佐野一郎さん(NPO法人じぶん未来クラブ 代表)
  • 屋宜直美さん(サルサダンサー/新富町出身)

「Yes, And!」が教えてくれる、やってみる勇気

「ハートグローバル」という教育プログラムを全国で展開する佐野さん。そのコンセプトは至ってシンプルでパワフル――

「Yes, And(はい、そしてやってみる)」の精神で、自己表現と挑戦を肯定すること。

プログラムでは、3日間で子どもたちがショーを創り上げます。驚くべきは、指導役の若者たちはすべて世界各国から集まったボランティアで構成されていること。

この活動の根底にあるのが、心理的安全性というキーワードです。

実はそのカルチャーみたいなものがこの団体にはあります。
ここは何をやっても否定されたり批判されたりする場所じゃない。
子どもたちが安心して、自分自身を出せる場所だっていうことを理解してもらえるような仕掛けがたくさんあります。

そして、もう一つ大事なのが「キャストがとにかく楽しそうであること」。

本当に楽しそうにしてる人が近くにいるって、子どもにとって最高の背中の押し方なんです。


「ママたちを元気に」屋宜直美さんの挑戦

不登校や引きこもりを経験した屋宜さんが、人生を変えるきっかけになったのは、福岡で偶然出会ったサルサダンスのイベント。その後、沖縄でサルサパフォーマーとして活動し、今は新富町で、子育てママのためのサルササークルを立ち上げました。

最初は「踊らなくていい」から始める。
でも、自分との小さな約束を守ることで「私、できた」が育っていく。

彼女の言葉からは、「無理強いせず、でも背中はそっと押す」大人のあり方が伝わってきました。


支える人がいて、輪が広がる

この活動は、多くのボランティアに支えられています。

一番多いのは、元参加者の保護者
自分の子どもが変わった姿を見て、「今度は私が支えたい」と自然に手を挙げてくれるんです。

ボランティア仲間同士で年齢も背景も違うけれど、「子どものために何かしたい」という思いでつながっていく。「Yes, And!」の輪が、日本中で広がっています。


本当の問題は「お母さんが元気じゃないこと」?

佐野さんが語った、非常に印象的な言葉がありました。

最大の問題は、お母さんが元気じゃないこと。

学校でつらいことがあっても、家庭で受け止めてくれる場所がなければ、子どもはどこにも安心を感じられません。現代の家庭では、親も自分のことで精いっぱい。だからこそ、

お母さんが自分の人生を楽しんで生きることが、子どもにとっての何よりの希望になる。

実際、干渉しすぎず、でも放置でもない「見守る大人」がいたことで、子どもが自然と自分の力を取り戻していく支援の例も多く紹介されました。


「自分で決める」経験が、未来を切り拓く

今回の講座では、教育や育児の現場において、

  • 子どもに選ばせる
  • やりたいと思ったことを応援する
  • 失敗を責めない

という価値観の重要性が何度も語られました。

やらされて失敗すると人のせいにする。
自分でやりたいと決めたことなら、失敗しても反省して学びに変えられる。

この積み重ねが、“自分の人生を自分で選んで生きる”という力を育むのです。


新富から広がる「Yes, And!」の文化へ

イベントの最後には、佐野さんから「来年、新富町でハートグローバルを開催する」との宣言がありました。

この町にも、やってみたい気持ちを持った子どもたちがたくさんいます。そして、その背中をそっと支えられる大人も、必ずいるはず。

「今よりちょっと自分を好きになれる」そんなきっかけを、新富の町にもっと増やしていこう。


今回の講座は、ただの学びの場ではなく、町全体で未来をつくる第一歩になるきっかけになれればと思います。
一人じゃできないけど、誰かとならできる。
やってみる勇気が、やがて「誰かの希望」になる。


📌 次回の講座にも、ぜひご期待ください!
「Yes, And!」の輪が、新富からもっと広がりますように。