お知らせ

お知らせ

地域の課題はそこそこで異なるもの。しかし、その解決への糸口を辿っていくと、人と人のつながりから始まるようです。今回は企業の立場で各地の取り組みを見てこられたゲストをお招きして、課題解決へ向けた地域との関わりについて話を展開させていきました。

■開催:2021年4月28日(水)20:00~21:30 オンライン開催
■対談テーマ:KOYU×TURNS 地域×企業のミライを考えるオンライントークイベントvol.1 楽天とJALから学ぶ、“本気の地方創生”とは? これからの“地域×企業”のあり方
■オンライン動画コチラから

■ゲスト(※敬称略)
塩沢友孝(楽天グループ株式会社コマースカンパニー地域創生事業ジェネラルマネージャー)
小檜山大介(日本航空株式会社 営業推進部観光推進室)

■モデレーター
堀口正裕(TURNSプロデューサー/(株)第一プログレス代表取締役社長)
高橋邦男(一般財団法人こゆ地域づくり推進機構 執行理事)

企業の得意分野を生かした
地域との関わり方

堀口:『TURNS』プロデューサーの堀口です。今回から宮崎県新富町とターンズのコラボでお届けします。1回目は、企業で地方創生の分野で活躍するみなさんと話し合います。まずは自己紹介からお願いします。

塩沢:楽天グループの塩沢です。地域創生の取り組みで大事なのは「稼ぐ地域を作る」ことで、楽天では得意とするEコマースでネット通販を活用し、経済活性化を図ります。産品の拡大(モノ支援)と事業者のEC化の促進(ヒト支援)をし、地方から日本を元気にすることがミッションだと考えています。現在、全国39の自治体と協定を結んでいて、地域のブランディングをさせていただいています。

小檜山:日本航空の小檜山です。いま航空会社は非常に厳しいんですが、地域に活性化を与えると同時に収入を増やし、我々もそこから収入をいただこうとしています。地域を元気に!笑顔でつなぐ!という「JALふるさとプロジェクト」を行っていて、販路流通支援などを行い、自治体良し、日本航空良し、世間良し、未来良しという「四方良し」の事業化を目指しています。

高橋:こゆ財団の高橋です。こゆ財団は2017年に新富町役場がつくった地域商社です。地域×企業による持続可能なまちづくりに挑戦していて、さまざまな人、情報が入ってきています。新富町と持続可能なまちの実現にチャレンジしようと連携協定を締結したユニリーバジャパン、次世代エネルギーの促進を目指すエネオスなど、企業とともにさまざまなプロジェクトが走り始めています。


▲『TURNS』プロデューサーの堀口正裕 氏

「何もない」という先入観を変えていく
新しい観光のカテゴライズ

高橋が問いかけます。従来の観光の考え方を変えていく必要があるのではないか。観光かくあるべしという先入観では、「ここには何もない」になる地域も、考え方を再編成することで活路が見出せるのではないか。

小檜山:観光を単独や近隣の地域との連携だけで考えると、なかなか自分の町をフォーカスできません。たとえば、何かに限定したカテゴリーでくくってみる。全国で焼き鳥を名物にする都市を集めて、「やきとりンピック」のような地域連合で盛り上げている事例もあります。

塩沢:地域のいろいろな課題に対して、自治体だけではなく、内外の企業も一緒になって取り組めば、かけ算になって解決への可能性はどんどん広がるはず。課題を我々に本音でぶつけてもらうと、こちらも奮起する。パートナーとして認めてもらえた時に、一気に走っていける感じですね。

お互いを認め合ってチャレンジ
そのかけ算は可能性の宝庫

潜在能力を引き出して開花させる、まさにエンパワーメント。立場を超えて人と人が力を出し合って目標に向かうことが大切でした。

堀口:こゆ財団の取り組みには、ふるさと納税を使った女性のサッカーチームの話、さらに選手が地域おこし協力隊だったり、いろんなストーリーが詰まっています。そういうことを大事にしながら関係性を作っている。お互いが補い合うだけではなく、チャレンジして幸せになることを目指しているところに魅力があります。


▲新富町を拠点とする女子サッカーチーム「ヴィアマテラス宮崎」

小檜山:全国を見ても、素地があるだけでなく、多様な人たちが集まらないと秀でた事例は生まれてきません。集まるための条件を揃えていくことも大事です。新富町の場合では空港まで30分強のアクセスと宮崎まで多くの航空便があるなど、いろんな形のメリットを融合させると、有機的なものが生まれてきそうです。

塩沢:今日のテーマの官民連携で思ったのは、そこでやることはチームビルディングだということ。強み同士を掛け合わせると1+1が、3にも5にも10にもなっていきます。まさに可能性の宝庫です。

すべての地域に、企業に、あらゆる可能性があります。次に何ができるのか、楽しみながらチャレンジできる状況を生み出していくのは、関わる人の力。地域×企業、そのかけ算は究極の面白さを持っています。