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「いまよりちょっと自分を好きになる」をテーマに、何か新しいことを始めたい、自分の夢を具現化したい人が、一歩踏み出すきっかけ作りの場「こゆ みらいの学校2022」。主催するこゆ財団は、月3万円を稼ぐビジネスづくりを目標に、2022年9月1日〜10月30日の約2カ月間、全5回の講座を開催してきました。

※レポート記事はコチラ▶︎第1回第2回、第3回、第4回、第5回(最終発表)

 

しかし、講座終了は終わりではなく、スタートだ!

…ということで、受講生の背中をさらに押すべく、今年は最終発表の2週間後にチャレンジ出店の場をセッティング。11月13日(日)、新富町総合交流センターきらり北回廊を会場に受講生10人が出店する「まちなか文化祭」を開催しました。

当日は町内事業者も応援出店。受講生たちは初めてのリアル出店とあって不安もあったようですが、出店者も来場者も素敵な笑顔に包まれたイベントとなりました。

 


幅広い地域住民が集う場で個性あふれる11店舗が出店


会場はカフェや図書館が入った老若男女の憩いの場。日曜日とあって終始来場者が途絶えることはなく、出店者は各ブースにいらしたお客様たちに商品の紹介をしたりと会話が弾んでいます。

 

出店の内容は、「新富町の特産品をモチーフにした箸置き・小物販売」や「自作のアート作品・Tシャツの販売」「カードセラピー」「性教育講座」「手作りスコーン販売」など。全11店舗が出店し、お客様たちも興味津々の様子。

 

こちらは、カメラマンとしてすでに活動している新富町地域おこし協力隊の中山雄太さん。講座受講生ではありませんが、実は近い将来カフェ経営も目指しています。そこで今回は「Arcana Coffee」として一緒にチャレンジ出店をすることに。

「人が気軽に溜まれる場作りをコンセプトにしています」と話す中山さんのブースから漂うコーヒーのいい香り。会場の人々の五感を楽しませてくれていました。

 


「こゆ みらいの学校」への参加理由と、出店の感想


開場後すぐ、小学生3人の女の子たちが集まっていたのは、新富町地域おこし協力隊・二川智南美さんのブース「gonanago(ごななご)」。 ゲーム感覚で誰でも簡単に五・七・五の俳句が作れるワークショップです。

 

「俳句のハードルを下げ、俳句の楽しさを知ってもらいたいんです」

と語ってくれた二川さんは、俳句歴12年の俳人でもあります。

「3分間で5音の食べ物、3音の場所を書き出していくよ♪ よーい、スタート!」

と、上手に小学生の遊び心に火をつけます。

お友だちとわいわい話しながら、小学生たちは俳句のワークショップを楽しんでいる様子。一人はパッとひらめいたのか、スラスラと書き上げていました。

 

Q.「こゆみらいの学校」に参加した理由を聞かせてください。

二川さん「新富町の地域おこし協力隊として、スモールビジネスをやってみたくて。『俳句を使ってビジネスができるか?お金を稼げるのか?』というテーマで挑戦してみました」

 

Q.参加してみてどうでしたか?

二川さん「5人程度が体験してくれればいいかな、と考えていたんですが、実際は10人も来てくれて。意外とお客さんが多くて嬉しかったですね。俳句でもお金を出してもらえるんだとわかったことも良かったです」

 

俳句の楽しさをもっと知って欲しいし、今後はそのきっかけづくりをしていきたい—最後にそう話してくれた二川さんのブースは、笑い声の絶えない場所となっていました。

 


子育てをしながらの受講&出店!小さな革小物屋さん“enchante” 


ご自身の結婚式を祝福してくれたゲストへのお礼にと、パートナーと共に名前入りストラップ130個を手作りしたことが、革製品作りのきっかけだったと話す猪俣由華さんのブースへ。財布やアクセサリー等が並び、おしゃれ好きな女性たちが集まっていました。

猪俣さんが作成したオリジナルのレザー小銭入れは、四方向どこからでも出し入れ可能なアイディア商品。他にもキーホルダーやピアスなどを初めて販売していました。

 

Q.なぜ「こゆみらいの学校に参加したのですか?

猪俣さん「たまたま回覧板で回ってきた『こゆみらいの学校』のチラシに目が止まりました。新富町に引っ越しをして来たので、仲間づくりと将来の夢『雑貨屋さんをやりたい!!』を叶えたくて受講しました」

 

Q.受講時の問題点や苦労した点などはありますか?

猪俣さん「子どものことですね。でも、講座中は託児があったから最初から最後まで講座に参加することができました」

 

子育て中のママも参加しやすい講座にするため、こゆみらいの学校では、地域のNPOと連携して無料託児を設置。イベント当日も「きらり」内の特設託児ルームへお子さんを預けて参加していました。

 

出店まで残り2カ月となってからは、製作は子どもを寝かしつけてからの夜なべ作業だったそう。

猪俣さん「子どもと寝ちゃった日もありました。製品づくりは大変でしたね」

と言いながらも、8種類50商品をしっかり完成させての出店。今回の収益は、全て次回作品の材料費に充てるとのことでした。

新富町には今現在、革製品の雑貨屋さんはありません。いつの日か、おしゃれ女子が集まる雑貨屋「enchante( アンシャンテ)」をOPENしたい―そんな日を楽しみに、夢に向かって一歩を踏み出した猪俣さんでした。

 


挑戦してみることで自信がつき明日からの活力が生まれる


「こゆ みらいの学校」では、それいいね!と称賛し合いサポートし合える場づくりをしてきました。受講生は仲間たちのいろんな思いやアイデアに触れながら約3カ月を過ごすなかで、新たな発見があったり、自分自身のアイデアもさらに膨らんだり。自分がやりたいことで月3万円稼げるビジネスプランづくりに挑戦してきました。

「まちなか文化祭」への出店は受講生全員ではなく希望者のでしたが、今回のイベントに向けて準備していく中でも、仲間たちとの結束はさらに高まっていったようです。

お客様から「オーダーで作って欲しい」とか、「凄くためになった」「学校で友だちに話したい」など直接うれしい言葉をたくさんいただいた受講生たち。実際にお客様を迎え、接客・販売するという挑戦を終え、イベント終了直後から「次回はこうしたい」などの言葉が飛び交い、興奮冷めやらぬ様子でした。

新富町の地域おこし協力隊員である甲斐隆児さんもその一人。まちなか文化祭ではオリジナルイラストを描いたエコバッグやTシャツ販売。お客様から、「もっと厚めの布生地でこれぐらいのサイズのものが欲しい」などの相談に応える姿も。

新富町の特産品をモチーフにキャラクターで箸置きを中心にオリジナル商品を自作、しんとみICHIBAを開店した垣迫亜紀さん。その場でお客様の似顔絵を描くドローイングサービスはお子様や親子連れに大人気でした。

性教育に取り組むInclusive laboの坂本麻季子さん。自作のオリジナルカードを活用し、性別年齢関係なく性について学べるきっかけ作りに取り組みます。とは言え男性のお客様の来店には坂本さんご自身も驚きの様子で、「すごい!!」と目を輝かせていました。

布ナプキンなどのオリジナル商品も同時に販売。足を止めた方々には、丁寧に布ナプキンのメリットについて伝えていました。

千田さんは特技を生かして、数秘術やカードを使って宇宙からのメッセージを伝えるカードセラピーで出店。イベント終了後、他の出店者の方々が片付けを始めても相談者の方がおり、最後まで親身に相談に乗っていらっしゃいました。

日ごろからサロンでお客様のメンテナンスを行う可知さんは、この日は個室を活用して出張ケアを実施。サロンに足を運んだことがない方々にも癒しを提供されていました。

カメラが大好きな高橋さんもこの日は個室を活用して出張カメラスタジオをオープン。得意の笑顔を惹き出す声がけで、イベントに来場されたお客様を撮影する姿は非常にいきいきとされていました。

 

また、同イベントには、応援隊として町内事業者でもあるテイクアウト専門スコーンカフェ「ピラ☆キラ」と、しあわせのお茶と大福「みどりとすずめ」も出店。会場併設のカフェkiitosさんの全面協力のもとイベントが実施されるなど、まさに街ぐるみで挑戦者を応援する様子を垣間見ることができました。

 

イベント終了後、こゆみらいの学校の企画運営を担当したこゆ財団の有賀さんは、

「ただのアイデアで終わらせずに、『私たちやりきったよね』と自己肯定感が上がる場にしてほしいと願っています。

『今よりちょっと自分を好きになる。』

ほんの少し自信がつくと、明日からの生活に活力が生まれます。

これからも、そのような場を新富町からお届けしていきたいと思います」

と、こぼれる笑顔で答えてくれました。

次回(2023年)の開催もお楽しみに!!