一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(宮崎県児湯郡新富町、代表理事:齋藤潤一、以下こゆ財団という)は、映画「ねぼけ」の題材となった新富町・新田(にゅうた)神社の「新田神楽」(2月17日開催)について、外国人留学生が体験を通じて観光コンテンツの開発を行います。
これは、現在新富町に滞在中の外国人留学生が、伝統芸能である神楽の準備から当日までのプロセスに関わる取り組みです。2名の外国人留学生が体験を通じて観光コンテンツを開発します。
特徴:伝統芸能をエンターテイメントではなく暮らしの営みとして体験
今回、外国人留学生2名は毎年2月17日に奉納される新田神社の神楽について、設営に参加。地元の方々や地域おこし協力隊と作業を共にしながら、暮らしの営みとしての神楽を体験していただきます。
<概要>
日時 2月15日(金)10:00〜15:00
場所 新田神社(新富町新田)
内容 神庭(こうにわ)設営のための竹および木材等の準備
※2月17日(日)の奉納には観覧者として参加
新田神社:映画「ねぼけ」(第39回モントリオール映画祭出品作品)の題材となった神社
※「ねぼけ」
※「新田神楽」映像
他の地域では、インバウンド向けのエンターテイメントコンテンツとして、実際に舞手になれたり、衣装を身にまとったりすることができるものもあります。一方、こゆ財団では神楽が土着の文化として「暮らしの営みのひとつ」であることを重視。奉納に至るまでのプロセスを中心に、外国人が共感・感動できるポイントがあるかに注目しています。
担い手不足の伝統芸能にあって、こゆ財団では外国人がその意味・意義に触れ、担い手としてコミュニティを支える事例も創出したいと考えています。今回の取り組みは、その端緒となるものです。
背景:外国人留学生の実体験とフィードバックを最優先

天然記念物「座論梅」で開催された梅まつりにおいて、外国人留学生は餅つきなどに参加。体験を通じてその由来や受け継がれている理由などを学びました。
安倍総理を議長とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」は、2016年3月30日に『2020年に4000万人訪日、8兆円消費』という新たな訪日外国人の目標値を示しました。実際に2018年12月には、訪日外国人の数が3,000万人を突破しており、数字は着実に伸びています。
これを追い風として、地域では独自性のある着地型観光コンテンツを開発したいと考えていますが、マーケティングや体制づくりに時間と人手を要しているケースが多く、機会を生かしきれていないのが実情です。
こゆ財団では機会損失を避け、ユーザーである外国人にまず体験してもらい、意見を集約しながらスピード感を持ってコンテンツを開発することを選択。今回参加する外国人留学生は、2月3日(日)に町内で行われた天然記念物「座論梅」の祭りもすでに体験済みで、太鼓や雅楽といった芸能や、蕎麦・ぜんざいといった食文化に触れることで感じた魅力をフィードバックしていただいています。
今後の展開:外国人留学生の定期的な体験を促進

2月17日に神楽が奉納される新田神社。今後も継続して外国人留学生の参加を計画しています。
こゆ財団では、今後も定期的に外国人留学生の受入を計画。毎年2月17日に行われる新田神社例大祭への参加を通じて、インバウンド目線での価値発見、情報の蓄積を継続していきます。
また、「座論梅梅まつり」や各種神事、古墳関連のイベントなどにも積極的に参画。町内に残る伝統行事の担い手確保に向けて、情報発信を行っていきます。